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第四三九回('13年3月3日 放送)
 安倍政権「順調2か月」
 そして「春に向けて」
 ゲスト: 渡部恒三 氏 / 森喜朗 氏

御厨

「尖閣諸島をめぐる緊張がとまらない。中国の中にも穏健派はいるのではと思いますけど、森さん、どうなんでしょう」

「今の中国にとっては、空気の汚染のこともあるし、まだ少ししか出てませんが、次出てくる問題は水です。中国にとっての水はもう本当にどうにもならん状態、黄河が1本で。そこへ工業用水、生活用水、農業用水、日本のようなすばらしい水を分離して使っている国はないです。一部の町では汚水があふれているところがある。だから、いずれにしてもこういう問題は必ず出てきます。生活そのもののところをあまり指摘をされても困る。むしろ逆に言うと矛先をそっちへ向けておけという、中国独特の物事の進め方というか戦い方だと思います」

御厨

「なるほど」

「来るなら彼らは計画的に来るんだから、やらせておいたらいいじゃないですか。こちらはこちらで淡々と警備したらいいじゃないですか」

御厨

「わかりました。恒三さん、いかがですか」

渡部

「中国は今もう、国内政治の国民の不満を外交問題でぶつけるということですから。大気汚染の問題なんかは、徹底的に強硬に日本は中国に強く、これは世界の環境保全のために言わなくちゃなりません。しかし「はい、そうですか」なんていうわけにはいかない、なかなか難しい問題だと思います」

御厨

「森さん、中国の軍艦から例の自衛隊の船へのレーザー照射なんかがあって、かなり緊張が高まってる。一番怖いのは偶発的な衝突でしょうか、どうでしょう、日本と」

「もちろん偶発的なのはありますし、日ごろ何かあれば戦うということ、国民を守るということで訓練をしてきてる自衛隊ですから。海上保安庁だってそういうことを守るということであって、自分たちから武力を行使してどうこうするんじゃないが、その気持ちに張り詰めているわけですから。一つ間違えがあったら、それはないとは絶対言えないことです。あくまでも慎重に、冷静に所期の目的をと、残念ながらそこで安倍さんの言う集団自衛権云々、憲法の問題になってくるわけです。だから国民の皆さんもよう考えなきゃいけないことです」

御厨

「なるほど。恒三さん、いかがですか」

渡部

「これは、森さんも私も共通の認識だと思いますが、やっぱり安全保障については日米同盟、これは基軸にし、今話があったように当面、これ中国のほうはわがままですよね。国内でいろいろ文句言われるんですよ、政府は。日本に対して何か強硬なことをすることによって、国民の気持ちのはけ口みたいにしてるところあります。しかしそれに一歩でも譲ったら、だめですから。だから中国に対してはいずれの政権が出ようと、外交問題、安全保障の問題に対しては日本は毅然とした態度をとっていく、これは一番大事なことです」