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第四三七回('13年2月17日 放送)
 「安倍政権発足2か月」
 〜「北朝鮮の危険な賭け」と「アベノミクス」と
 「TPP」と〜
 ゲスト: 塩崎恭久 氏 / 片山善博 氏

御厨

「片山さん、1000兆円もの我が国の借金、大丈夫かと思うわけですが、最近は民主党がこの財政再建にこだわってきたのですが、あまり強調されてないように見えますが」

片山

「安倍政権になってから少し脇に追いやられたようなことになってますが、実は非常に深刻ですよね。特にアベノミクスの結果、金利でも上がるということになりましたら、国債の金利負担も財政に対してはものすごい圧力をかけることになりますから、景気対策と同時に財政の破綻防止といいますか、再建ということはもっと力を入れなきゃいけないと思いますね。

東北の震災復興のときに、十数兆円の復興予算を組むときに、増税をして財源を確保しなければいけないといって国債の発行を抑えさせたわけで、これは民主党政権のときですけどね、今度、一般の公共事業は、建設国債で大盤振る舞いというんでは、いくら何でも財政のつじつまが合わないですよね。ぜひこれは財政の破綻に向かわないように注意してほしいですね」

塩崎

「さっき申し上げたように、所信表明演説で明確に、いつまでも財政出動に頼るわけにいかないということは、言っているわけですから、公共事業についてのPFIとかPPPとかそういう民間資金を使うということもやるし、財政再建の話が横に追いやられているとおっしゃったんだけど、そんなことはなく、この25年度予算については、税収のほうが借金よりも3年ぶりに多くなっているわけです。もちろん補正予算がありますけどね。

だけど、それで行きますよということを明確にして、財政再建目標は民主政権のときとほとんど同じ目標を、プライマリーバランスの黒字化を2020年にというのは、もう同じようにやっているわけですから、もう本当に行革もこれから本格的にやらなきゃいけないし、財政再建をやるというのは当然であります。経済成長と両輪だということを、安倍さんもはっきり言ってます」

御厨

「分かりました。後、ぜひ塩崎さんに伺っておきたいのは、TPPです。メリット、デメリット、そして、オバマさんはTPPで日本に対してどう出てきますか」

塩崎

「自民党の中の議論もそうですけど、大きなフレームワークの議論というのがないんです。何のためにTPPというのをやっているのかというと、アジアパシフィック、APECのこの地域の言ってみれば経済秩序で、裏に政治秩序も一緒にくっついてくるわけですけど、この新しい経済秩序をどうつくるんですかという一つの試みなんですね。RCEPといってASEANプラス6、この枠組みももちろんやってるんですが、しかしアメリカも含めてこの新しい秩序をつくるというのをやるというのが一番なんですね。

これは中国を意識した上で同じような民主的なルールで経済をやってくださいということなんです。これをまず踏まえなきゃいけない。それで今回、一般教書でもはっきり『TPPを完成させる』と書いてある。ですから、ちゃんと我々は共有した上で進めないと」