時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第四二九回('12年12月23日 放送)
 「スタート安倍政権(2回目)」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 林芳正 氏

御厨

「落選した議員にしたら、今さら謝っていただいてもという気分もあるかもしれませんが、藤井さんはどのようにごらんになりますか」

藤井

「私が野田さんに後見人として言ったことは、「あなたの専権なんだ。だから、あなたが決めればいい。しかし、専権ということは、全ての責任はあなたに来るんだ」と。それはよくわかっておりますと、彼も言っておりました。

やっぱり一番大きかったのは、三党合意ですね。ここまでしていただいたのは、自民党さん、公明党さんのお力がものすごくあったわけですね。その方を裏切ることはできないというのは、あの人一流の実直さから来ていると思います。そのほかにもいろいろな理由があったと思いますけど、あの人はそれが一番だったと思います」

御厨

「そうですか。林さんはどうごらんになっていますか」

「そうですね、「敗軍の将、兵を語らず」ということで、8閣僚の方のお気持ちはわかるんですけれども、同じことを言ったほうがかっこよかったかなという感じはしますね」

御厨

「なるほど。藤井さん、敗因をもう少し分析すると、どんな感じでしょう」

藤井

「これは3年間の実績だと思いますね。私は3年間言い続けたんですが、君たちはもう野党じゃないんだよ、与党なんだよと。これが一番だと思うんです。つまり、野党として独善的であり、攻撃的なんですね。与党というのは、独善的、攻撃的じゃないはずなんですね。私は税制調査会の会長として、いろいろなことを言った人に対して、「意見はいい。しかし、ある段階でまとめるのは与党なんだぞ。いろいろなことばかり言っているのは野党の特徴なんだ。だめだ」ということは言いました。それが最後まで残っていたと思いますが、わかっている人は随分わかってきたと思うし、言いにくいけど、野田さんは初めからわかっていた数少ない人の一人だったと思います」

御厨

「なるほど。林さんからごらんになって、民主党は何が一番まずかったというふうにごらんになりますか」

「今、藤井先生がおっしゃったように、最後にまとめると。我々も新人議員で入ったときからそういう能力があったわけじゃなくて、先輩方がやっているのを見ながら、「ああ、最後はこういうふうになっちゃうんだ」みたいな。総務会でも反対のやつが出ていったりとか、ああいうものを見ながら、5年ぐらいかけて、ああ、こうなるんだと。その準備期間が足りなかったんじゃないでしょうかね。

ただ、政権交代というのはそういうことですから。だから、いま藤井先生がおっしゃったように、今度はいろいろな経験をされた方が残っておられるということじゃないでしょうかね」