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第四二四回('12年11月18日 放送)
 「電撃解散」の行方
 ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

御厨

「この混乱、藤井さん、予期されたことですか」

藤井

「当然、野田さんももう出る人がいてもしようがないと。しかし日本の将来のための政策が大事なんだということを前々から私には語っておられました。この人たちは世間では、選挙のために出たとしかみんな見ていないんです。平成5年に私たちは自民党を70名離党しました。そのときは熱狂的でした。野中さんたちには怒られた話なんですが熱狂的でした。今、熱狂は一つもありません。選挙の目当てでまたやっているなということだし、野田さんも岡田さんも言っていますが、もうこんな人はいいんだと。私は同じ意見です」

御厨

「なるほど。野中さん、いかがでしょう」

野中

「同じです。やはりこういうときは、ねずみ、それが一挙に出るものなんですね。そして新しい党が次々と出てきました。これが時間を与えたら必ず一つの輪になっていくような、そういう傾向も出てきますし、もんでもんでいる間にみんなが準備ができていきますから、そういうものが進まないうちに一刀を切りつけたというのは、1人の政治家として見事にやったと思うんです」

御厨

「なるほど。そういうことですか。藤井さん、しかしこれだけ離党者予備軍というか、まだいて、離党者が出ていくということになると、逆に言うと、結構党運営は大変だったということですかね」

藤井

「私は前のときから、いたし方ないと。自分では言いませんでしたけど、前の方が出たとき、これですっきりしたということを言ってる人が大分いたんです。若い議員に言いましたが、「君たちはよく残った。そういうのが政治家としての姿なんだよ。選挙目当てに出るような人間の将来というのはどういうものかわかってるだろう」と言って、今残っている人は実にそれだけで立派だと。いろんな意見があるのはいい。しかし今まで残っているということは、君たちはそれだけで偉いぞと1期生に言っております」

御厨

「なるほど。野中さんはどういうふうにお感じですか」

野中

「私もそう思いますね。やはり新しい政党に走っていった人は、みんなが選挙に危ない。何か風に乗って、その風で当選したいという人ばかりが維新の会を初め民主党から飛んで出たと。今度最後に残ったのがおろおろしていたけども、時を選ばずに早く行かなきゃだめだというような気持ちで、この人たちは本体を逃げていった。  民主党が確かに国民の支持を随分落としておることは事実です。そういう中で、自分はこの党の中でしっかりやっていこうという気持ちがなくて、新しい風のところに、どこかに行ったら当選を確保できるだろうというさもしい気持ちで出て行った人がほとんどじゃないかと思うんです」