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第三九九回('12年5月20日 放送)
 「暑い夏が来る」
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / 武村正義 氏

― 会期末まであとわずか…増税法案成立はできるのか?再稼動問題は?

御厨

「さあ、そうすると一方で相手方、つまり協力をとりつけないと恐らく法案を成立させられない相手の自民党の問題ですね。仙石さん、自民党の協力を得るためには話し合い解散がいいのか、それとも自民党との連立のほうがいいのか。これ、どうでしょう」

仙石

「自民党の方々とも非公式に食事をしながら話をするという機会がありますけれども、ご理解いただけるのは、中身の少々の違いはまだないわけではありませんが、財政と社会保障の問題として、現時点で消費税を2年後から3%あるいは5%に上げていく必要性について否定される方は、自民党の中堅以上の方々は、ほとんどいらっしゃらない。そして、これを多分解散総選挙前に片づけると言うと語弊がありますけれども、決めると。決めなければならないと。

もう一つはエネルギーの問題ですね。原発をさあ、どのように時間軸の中で、つまり時間の中で脱原発依存なのか、脱原発そのものなのか。それは何十年の中で何に置きかえていくのか。当面は再稼働も、武村先生がおっしゃるように部分的か、あるいは40年たったのはやめてもらうということも含めて、このために現時点では「少々」なのか「相当」なのかはともかくとして、再稼働をお願いしなければいけない。これについても決めなければいかん。

それからもう一つは、憲法違反と指摘されている衆議院の定数問題も決めなければいけない。あるいは定数削減と定数是正。

この三つは解散前にやっておかないと、もしそのことを棚上げしたまま解散をやってしまうと、その後がむちゃくちゃになるよねと。これはどうしても解散前にやらなきゃいけないよねという話は、僕はほとんど一致しているような気がしてしようがないんですね 」

御厨

「なるほど。今の問題、武村さんはどうお考えでしょう」

武村

「私は真ん中の再稼働は今すぐ、ただちに再稼働と言われると、もうちょっと時間をかけて国民世論を見ながらと申し上げたいんですが、1番の消費税と3番の定数是正は当然ですね。それで自民党には言いたいですね。堂々と王道で判断してほしいと。党利党略でなしに国民とか日本のことを考えて、税制は判断してほしい。

民主党には、マニフェスト全体にも言えますが、あまり理想主義に偏らないで現実主義で妥協を判断してくださいよと。公明党にも、ぜひこの大事な問題は自民党と民主党の間に立って、つなぎ役を堂々と果たしてくださいと。3党にはこれを申し上げたいですね」

御厨

「なるほど。そうすると、もう一度仙石さんに伺いますけれども、選挙の前には連立ということになりますか」

仙石

「だからそこまでの、ある意味で国民に必ずしも100%評判のよくない政策をやるとある種のリスクを背負い込むことになるのだから、それは連立政権という格好をとらないと、そんなところまでリスクを冒せないよというご意見が強いならば、それは連立を組むということも大いにあってしかるべきだとこう思っています。もう昨年の段階からそのことは申し上げてあります」