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第三八六回('12年2月12日 放送)
 いよいよスタート予算審議
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 武村正義 氏

― 動かない「政党」そして動き出す「新党」の影…

御厨

「武村さん、ずばり、また出てきたこの手の話」

武村

「またですかと言いたいんですが、その前に週刊誌的なんですが、私は日本の永田町に二つの危機が迫ってると、こう言いたいです。一つはせっかく藤井さんがご苦労されてるこの税と社会保障の一体改革の正念場を迎えているときに、一つの危機というのは、これを世界のマーケットがじっとにらんでると。政治をにらんでる。

日本は税制を改革していく余地があるからまだ許してくれてるんだけど、ここで頓挫して、この法案が、せっかく政権が必死でやろうとしてるのに、実現しないということがはっきりすれば、世界のマーケットは、恐らくまず格付け会社が動くだろうし、それから日本の国債そのものが売られる可能性が大いにある。そういう意味では信用不安の危機が迫っているのが一つ。

もう一つは今、おっしゃった新党の危機です。橋下さんやら石原さんのね。やっぱり既成政党の皆さんは、これは自民党も公明党もそして民主党も含めて、こんな膠着状況でがたがたやってる以上は、国民世論も新党のほうに目が行きかねませんから、本当に次の選挙は大変になります。

この二つの危機をもう少し、永田町の皆さんは党派を超えて認識をして、そして国難というべき一番大きな問題に真正面からぶつかってほしいですね。党派を超えて。そう思います」

御厨

「藤井さん。石原新党とか橋下さんの動き、こちらのほうはどうごらんになりますか」

藤井

「まず全体を見て、武村さんの言われたとおりなんでして、アメリカや南ヨーロッパに対する格づけ会社の評価の中に、政治の混乱ということを言ってるんです。数字だけじゃないんです。ですからここで混乱を起こすということが、どれだけ格付け会社の立場というか、日本国債に対しての評価を低くするか。そしてこれもおっしゃったとおりでして、そのことが金利高、不安定な社会における金利高。それから日本はほとんど日本の金融機関などが持ってますから、日本の金融機関がもう破綻するというか傷を負うわけです。

それは日本の経済の問題であって、あえて言わせていただきますが、消費税を5%上げることと、そのことがどっちが日本経済に悪い影響を与えるか。これは明らかです。と思っております。

そしてその一つとして向こう側の話がありますが、私は日本の歴史をずっと見てもこういうことはよく起こるんです。そしてそれなりの役割を果たしてくれるんです。これは事実です。しかし、いずれそれはみんな消えていくわけです。

一つのものに収斂していくわけです。ですから一つの役割を果たすでしょう。そしてそのときには、これも武村さんが言われたように、どうも既存政党が動いていない。それに対しての動きを出すと。これはあると思います。しかしいずれまた収斂していくと思います」