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第三八三回('12年1月22日 放送)
 「国会が始まる」 〜潮目は変わるのか
 ゲスト: 野中広務 氏 / 渡部恒三 氏

― 「大波乱」政局の行方は…?

御厨

「さあ、まずは3月危機と言われるこの法案(消費税関連法案)の決定、そして国会への提出、小沢さんたちの反発、これがどう出るか。恒三さん、どうでしょう」

渡部

「これはわからないというのが政界だと思うんですけれどもね。それ以前に、私ぜひ野中さんもいらっしゃるので……。

今、国難です。日本が滅びるかどうかなんです。もう政局で、党内で抗争してるというのは本当に許されることでないし、それよりも僕はもっと、そんなことよりも自民党と民主党がここで党利党略でどっちが損するか得するか、いつ解散させるかという前に、今の日本の財政問題、世界に置かれた日本、しかも少子高齢化でみんな苦労し、これから心配する日本、大丈夫だと言うためには、自民党と民主党が一つになって、今度懸案なっている法案なんかは……。

これ、ぜひ知っていただきたいのは、社会保障と消費税の問題、これは長い間自民党が言ってきた自民党の政策ですよ。そっくりそれをのんでるんですから、自民党はやっぱりおれの言ってきたことは正しいんだと言って、全面的に協力して通してくださる。そうすればまた我々もいずれ自民党に政権をお渡しするということも。そして政治が安定すると。

野中さん、自民党が話に応じる、応じないになっている(けれども)、おれの言ったことは正しかったんだと国民の前に大威張りして、この法案通すように協力してくださいよ」

野中

「私はそんな自民党に愛想をついて、もう離党したんです」

渡部

「ああ、そうですか(笑)」

野中

「とにかく3月解散も、4月解散もあり得ないと私は思います。結局は何かかんか言いながら、来年6月ごろの衆参同時選挙が結局政局の終着点でなかろうかと思います」

御厨

「そうすると今ここで解散をするしない、いろいろみんな解釈するわけです。それは一種の、それこそ恒三さんがおっしゃってるように政局という、その辺にあるということですか」

渡部

「政局で、今度野田君にも反省してもらわなくちゃならないのは、総理大臣は解散なんていうことを口にしちゃならないんです、するとかしないとか。やろうと思えばすぐできるんですから。だから昔から私は教えられたのは、日銀総裁の公定歩合と総理大臣の解散の話は、場合によってはうそを言ってもいいって言われた。

中曽根さんがかつて「うそつき解散」なんて言われたことがありましたが、それよりもまず総理大臣は、解散なんてことは簡単にやるとかやらないとか口にしてならない。これは野田君に注意してもらいたいと思う」

御厨

「なるほどね」

渡部

「ただ、やっぱり正直な現実的な話になりますが、今解散すれば、さっきの小沢君の会合に集まっておられた方がほとんど落選するんですね。だからそういうものに対する脅しの気持ちはあったとすれば、ちょっと小さいわ」

御厨

「なるほど。やっぱり私も見てても、何か野田さんの目は何となく思い詰めてる感じがするんですけども、これ野中さん、どうでしょうね」

野中

「まあね、やっぱり私は官邸にもう少しほかから、外部から人を入れるんじゃなしに、官僚として勉強してきた人間を要所要所に配すべきだと。民間におった人がすぐ役人になり、政策ができるわけじゃない。総理が眼帯をしておられます。総理が夜中に直接電話に出るというのは、そんなことはあり得ないんです。三木総理のときに検事が電話をかけたけれども、このときも取り次いだんですね。だからそんな危機管理がまだ公邸の中にあるのかなと、そう思って心配しています。

それは恐らくほかの理由で私は目を傷められたのを、そういう言葉で表現されたんじゃないかと思いますが、だからやっぱり今お話があったように、超党派でこの危機を乗り切って、そして日本が少しでも安定するようにやっていかなければ、現在のいわゆる通貨の問題を含め、非常に日本は大きな危機に立っていると私は思うわけです」