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第三八二回('12年1月15日 放送)
 スタート「新どじょう内閣」
〜これで通常国会突っ込みます…
 ゲスト: 武村正義 氏 / 浜矩子 氏

― これから立ち向かう国会。野党は「協議拒否」の中で…

御厨

「まあ、いろいろな見方あると思いますが、まずはこの自民党の対応、武村さん、どう思われますか」

武村

「私も民主党のマニフェストについては、財源問題も含めていろいろ問題があるなと。一体あのときに、前回の選挙のときにどさくさの中でだれが責任を持ってつくったのかなというところに疑念を感じているんですが、党で幅広く議論をしてつくった気配がないんですよ。そういう意味でかなりいびつで偏ってるなという印象があります。

その中に消費税の問題も全然一言も触れていないと。確かに上げないとは書いてないし、上げるとも書いてない、議論をするしないも書いてない。当時からもう消費税というのは大きな問題だし、日本の財政は赤字でしたからね、どの党も気がつかなきゃいけないテーマだけど、民主党はそれに目をつむってきたと。そこを鋭く自民党が突いてるのは、私は正しいと思うんです。

問題はマニフェストに非があるから、即国民に信を問い直せと、解散をせよというところが、それも論理としてはわかるんですけども、ちょっとややオーバーかなと。私はだからマニフェストに非があるから、野田さんきちっとおわびしてくださいと、非を認めてくださいというレベルでいいんじゃないか。非を認めるなら協議に応ずるよということでまず協議に入って、もちろん社会保障の内容ももっと充実をする、自民党や公明党が注文をつけていい内容に変え、あるいは政治改革とか公務員改革もきちっと3党でやって、その上で解散と、6月ごろ合意で解散をするという大同につくような政治基盤が一番正しい。

特に今度は国債の金利がかかってますから、世界のマーケットがにらんでますから、日本が消費税が頓挫したら、これは恐らく反対した野党の責任になりかねません。自民党はその責任を負えるのかということになりますね。やっぱり国会の命運がかかってる、そういう大事なテーマだということを野党もよく認識しながら、話し合いを進めてほしいと思います」

御厨

「なるほどね、浜さんいかがですか」

「そうですね、今、武村さんが言われた『大同』という言葉が結構重要ではないかなという気がします。自民党というのはもう本当に長く延々と与党をやってきた与党経験の極めて豊富な政党なわけですよね。そういう与党経験の豊富な野党としての風格といいますか、そういうものを持って今与党たるもの、この野党第一党たるものはどのように振る舞うのが本当に国民に対して責任を持って行動している姿かということをもっともっと考えて、そのことが言動ににじみ出ていてしかるべきではないかと思うんですよね。

政権与党というものがあるとすれば、同じように政権、この責任野党というものがあるはずで、だから野党であるから無責任に何でも言ってもいい、あるいは野党であるということはもう一刻も早く与党に返り咲くということだけを考えることだ、というふうな発想で動いていると、それはやっぱり品格のある、風格のある野党ということにはならないというので、そういう意味では結論的に言えば、まだまだ自民党には野党修行をしてもらう必要があるんだと思いますね」