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第三八一回('12年1月8日 放送)
 「2012をどうする」
 〜3月をどうする。6月をどうする〜
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 片山善博 氏

― 「6月危機」野田政権に残された選択肢は?秘策は?…

御厨

「6月には、政局風に言うと、自民と公明が不信任案で仕掛けてくる可能性が非常に高い。ここで例によって、民主党の造反問題というのがあって、造反が出れば、あるいは成立するかもしれない、そういう状況。これ、どう読まれますか」

片山

「去年ちょうど同じ時期に菅さんが不信任案の問題で非常に苦しんで、結局いささかトリッキーな面があったかもしれませんが乗り切られたんですけど、今回はそれよりもっと厳しいですよね。去年は公債特例法だったんですけど、今回はそれにプラスして消費税の増税法案がありますからね。ですから去年よりもっと深刻だと思いますね。それで連立というのは、そういう事態になったら、私はもうあり得ないと思いますね。ですから不信任案がもし通れば総辞職か総選挙。で、総選挙しかないと思いますね。

その際、実は総理の年頭記者会見のときに新聞記者の方が聞かれて、例の1票の格差の問題で、最高裁の違憲判決が出ているわけですね。そうしますと、今のままで解散をして――できるんですけど、総理の解散権は制約がありませんからできるんですけども、選挙結果に対して訴訟が起これば、選挙無効になる可能性はかなり高いです。そうしますと大混乱なんですね。その大混乱のことまで踏まえますと、実はなかなか解散というのも総理としては、事実上は本当は難しいんですね」

御厨

「なるほど」

片山

「ですから、そのこともありますから、早くさっき言った国会議員の定数の問題と絡めて1票の格差の問題も、ちゃんと事前に整理をするということをされておいたほうがいいと思いますね」

御厨

「そこはどうですか、藤井さん」

藤井

「全く片山さんと同じ意見です。解散権と1票の格差の問題は別だと野田さんがおっしゃる。これは論理です。しかし政治は違います。今、片山さんの言われたとおりでして、憲法違反のものを実行するとなると、実行できる人は総理しかいないんです」

御厨

「ああ、そうですね」

藤井

「これは総理の専権ですから。そうしたら総理の責任はものすごい大きなものになります、例えば選挙やり直しなんかになって。だから私は進言します。やっちゃいけませんと。絶対に選挙をやっちゃいけないということは進言します」

御厨

「そうすると選挙はやらず、しかしさっき片山さんがおっしゃったように、他の秘策、そうしたら連立もできないだろうという事態になりますと、どういう状態になりますか」

片山

「そうすると野たれ死にになりますからね。ですから、であればこそそうならないように、通常国会が始まったらすぐに、もうさっさと必要な、国民の皆さんが納得する法案をきちっと先駆けて…」

御厨

「出さないといけない」

片山

「処理をする。そうしますと、私は随分事態は変わってくると思いますね。そこでちゅうちょしてもたもたもたもたして、党内で混乱して、また公務員の抵抗もありますからね」

御厨

「それはきっと抵抗しますね」

片山

「それで挫折すると、私は野たれ死にのほうに向かわざるを得ないと思いますね」

御厨

「なるほどね。 さあ、これを乗り越えていっても9月には代表戦があるわけですね。藤井さん、この代表戦、どうお考えですか」

藤井

「さっきからずっとあるお話のとおりなんですね。そして退いたら、もはやありません。しかし、貫いたら再選です。政治とはそういうものだと思います」