時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三七八回('11年12月11日 放送)
 「政治はこれでいいのか」
 ゲスト: 渡部恒三 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「要は、あと1カ月以内で消費税増税の決着を党内でつけるということなんですけども、増田さん、どうでしょう」

増田

「年内をめどという、このめどと言ったのはやっぱりまずかったと思いますね。世の中の受け取り、特に霞が関の受け取りは、めどと言った途端にこれは年明けだなと思いますから」

御厨

「ああ、そうかそうか」

増田

「年内に必ず結論を得るというふうに言い切ってほしかったですね」

御厨

「ああ、そうか。恒三さん、野田総理はやっぱり年内の党内決着どうでしょう。できますかね」

渡部

「いやあ、なかなか容易でありませんね」

御厨

「容易でない」

渡部

「うん。ただね、だから今の言葉ね。大変なことは国民の皆さんだってわかってるんですから、あんまりここで強がらないほうがいいんだけどね。何でかんでやるなと言うと、反対の者に、だれがと名前は言わないけど、ますます消費税反対の署名をして歩けなんていうことになるから、あんまり力まないほうがいい」

御厨

「力まないほうがいい」

渡部

「うん。やり方が下手なんだ。私がもう早くから言っているのは、まず上げる上げないの前に、やっぱり社会保障の実情を申し上げて、まずこの消費税を年金と医療保険と介護にだけ使いますと。福祉目的税にして、その後で、今まで6人の者が1人を支えていたのが今3人が1人を支えるようになっちゃうんですから、消費税を上げなければ年金を下げざるを得ませんと、そう訴えれば素直に国民に通ったんですよ。

だから国民の皆さんも消費税の値上げはやむを得ないかなと大体思ってくれていたのを、この1カ月の間でぶち壊しているみたいな感じがします。政争によってね」

御厨

「なるほど。政争でね。増田さん、逆にね、年を越える、これ年を越えちゃうとどうなりますかね」

増田

「素案を年内につくるということを言っていますが、その素案という名前でどこまで決められるかにかかっていると思うんですね。

年明けに大綱をつくることになっていますが、もう素案という言葉がひとり歩きしていますけど、素案で閣議決定できるのかどうかということだと思います。普通は素案というぐらいですと閣議決定しないんですが、とにかく後戻りしないところを年内にどれだけ決められるか。そうしないと年明けは大変困難な与野党折衝があって、その時期まで党内がまだはっきりと決まってないということであれば、私は非常に後が大変になるというふうに思います」