時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三七四回('11年11月13日 放送)
 「TPP決断しました」
 ゲスト: 増田寛也 氏 / 浜矩子 氏

御厨

「まずは増田さん、このドタバタぶり、これをどうごらんになりましたか」

増田

「これから待っている問題はですね、恐らく党内だけではなくて、国論を二分するような問題ばかりなんですよね」

御厨

「そうですな」

増田

「確かにTPPではないんですけど、韓国も米国との間のFTAで、国内は今もうものすごく大揺れになっていますよね。ですけれども、大統領は毅然としてそれに向かっているわけなんでですね。ですから私は今回のTPPの、しかも最終的な参加というよりは各国と協議をするということの決断ですから、もっと私は、何というんですか、こういうやや小手先というか、そういう技巧に走る必要は全くなかったんで、真正面から誠実に向かっていく必要があるんじゃないかと。そうしないと、これからの山を越えられないんではないかと思いますね」

御厨

「浜さん、いかがでしょう」

「そうですね、この言葉の「あくまでも国益の視点に立って」というふうに言っていますよね。これが結構こそくというかですね、レベルが低いというか。このTPPというものが持っている、本質的にこれは非常に貿易を不自由にする囲い込みの、地域限定排他的囲い込み大作戦というような性格を持っているものだと私は思うんですね。そういうものに加担していいのかどうかについて、政治家としての姿勢を示すところがみじんも感じられないというところに非常にいら立ちというか、怒りさえも感じるところが大きいですね」

御厨

「増田さん、こうなると何となく不安があおられる感じもするんですけども、そもそも実は2カ月前のオバマ会談で約束をさせられて、そして今日という再会談の締め切り日、これを先に決めておいたんですね。だから今日までに回答しますよということでずっと来たという、このやり方はどうなんですかね」

増田

「民主党の中の党内議論はあまりにも自分の、総理の意思を言わずに、全くゼロからやり過ぎたような感じがするんですよね。私はいろんな周囲の人たちからの話を聞いても、総理はもう恐らくオバマさんと会った直後から腹は決めていたと思うんですね。しかし自由にやって結局ここまで、ぎりぎりまで、米国に出発するどのぐらいですか、12時間ぐらい前に国民に説明したと。こういうことですから、やっぱりそこの視野に国民がすぱっと飛んでいるんではないかという気がしますね」