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第三六七回('11年9月25日 放送)
 「どじょう総理」外交デビュー
 〜3人目です。よろしく
 ゲスト: 石破茂 氏 / 浜矩子 氏

― 日米首脳会談「普天間問題 結果を出す時期」と言われて…

「この程度のことが想定外ではあまりにも頼りないということは間違いなく言えると思います。やっぱり、野田内閣の問題はどうしても、最初に「ノーサイド」を打ち出してしまったところにあると思います。ノーサイドだということはすべてについて受け身になるということで、さっきの全力を挙げるという話もありましたけれど、全力を挙げて何をするのか。全力を挙げるという言い方って、ほとんど何も言っていないに等しいですよね。そうなるのは、私にはサイドはありませんという。

だから、これはそう言ってはちょっとかわいそうな気がしますけど、野田は野太鼓の野田だという感じがするんです。つまり野太鼓というのは、要するに太鼓持ちのフリーランスの人ですよね」

御厨

「ええ」

「その野太鼓さんの特徴というのは、徹底的に相手に合わせると。「この酒は辛口だな」と言われると「そうですよね」と言って、その同じお客さんが「でもちょっと甘いな」と言えば「やっぱ甘いですよね」と言う。これではもちろん交渉などは全然できるわけがないのであって、やっぱりこのノーサイドイズムを脱却しないとどうにもならないのではないかという気がします」

御厨

「なるほど。石破さん、どうでしょう、担当の防衛大臣がまた市川さんであるというのも、やや心配なところがあるような気がしますけれど、いかがですか」

石破

「私は人格攻撃する気は全くないんですよ、誠実な立派な方だと思いたいし。だけど、素人でありますと、これが真の文民統制だというのは、外国の人が聞いたらひっくり返って驚きますよ。文民統制とは素人がやることではなくて、その責任を負い得る政治家が統制する。要するに国民主権の体現が文民統制なのであって、素人を求めているわけではないんです」

御厨

「そうですね」

石破

「普天間の問題というのは、極めて軍事的にどうなんだと、海兵隊が果たしている役割、空軍、陸軍、海軍との連携、そしてまた中国、朝鮮あるいはロシア、東南アジアの国々、この地域におけるバランス・オブ・パワーを日米がどのようにして保っていくのか。それは相当軍事に通暁していないとわかる話じゃないんで」

御厨

「そうですよね」

石破

「産業廃棄物の処理場をどこにしましょうかというのもものすごく大変な話だけど、ある意味それの何倍も難しいことなんですね」

御厨

「なるほど」

石破

「官僚たちにそれがわかるかと。軍人たちはきちんとした知識は持っているけれど、軍人たちというのは国民に対して責任を負える立場にないんで、最終的に決めるのは政治家で、それがきちんとした知識を持っていなければいかんときに、そういうことを言う人を防衛大臣にした野田何がしという者は一体いかなる見識の持ち主なるやと、こういう話になるんですね」