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第三六六回('11年9月18日 放送)
 スタート「どじょう内閣」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 増田寛也 氏

― 野田総理 所信表明演説に…

増田

「多くのことを野田政権が片づけられるとは、なかなかいかないと思うんですよね。やっぱり優先度を相当つけて取り組まなければいけないんで。

まあ私は復興の財源の問題ですとか、それからその後に控える社会保障の財源をどうしていくのか、持続可能性をどうしていくのか、このあたりが野田政権の一番やっぱり大事な役割じゃないかと私も思うんですね。ですから、多くのことをやるということではなくて、そのことだけに野党と正心誠意、まさにおっしゃったとおり正心誠意ですね、当たっていくということが大事じゃないでしょうか」

御厨

「なるほど。藤井さん、どういうふうにお考えでしょう」

藤井

「さっきからの増田さんのお話は極めて適切なというか、温かいご批判をいただきまして、ありがたく思います。

まず、マスコミさんの批判に対しては謙虚に承らなきゃいけないと思っておりますね。で、やはりいろんな立場がありますからね、それをしっかり受けとめるということが大事だと思いますが、私もね、いま増田さんが最後に言われたことですが、昔から何十年、『一内閣一仕事』ということをよく言ってましたね」

御厨

「ありますね。はいはい、昔からそうです」

藤井

「そうですね。ですから、それがやっぱり一仕事であったらちょっともう間に合わないかもしれないけれども、何でもかんでもというのは、現実に増田さんの言われるとおり適当ではない。エネルギーというのは、人間のエネルギーは限られておりますからね」

御厨

「そうですね」

藤井

「一仕事からもう少し、プラス幾つかということではないでしょうか」

御厨

「ということですかね、はあ。さあ増田さんね、一方のこの自民党、谷垣さんは語調は激しいんですね。で、けんかするように見えて、しかし何となく協調するようにも見えるんですけども、この谷垣さんの態度はいかがでしょうか」

増田

「結局、自民党というか野党からしてみると、解散にやっぱり追い込むのが野党としての一つの立場だと思うんですが、それをどういうふうに考えていくのか。まあ野田政権が支持率もやはりかなり回復して、それで国民の、これからどういう仕事をするんだろうということを期待する目があると思うんですよね。

ですから、ここでやはり解散に追い込んでいくということなのか、あるいはとにかく3次補正も含めて復興について、あるいはその先の社会保障についても、やはり消費税はどうしても上げなくちゃいけないというのが自民党の立場だと思うんで、そのあたりについて与党とどういう話し合いをするのか、その点についての、まだ党としてのスタンスがなかなか決め切れないところがあるんじゃないでしょうかね」

御厨

「まだちょっと揺れるんですね」

増田

「ええ。ですからやはり当面は、今回きつく出ましたけども、これからどういうふうに当たっていくのか。やっぱり自民党というか、谷垣さんも党内で二つの流れを背負ってますので、なかなか難しいハンドリングだと思いますね」

御厨

「与党の立場から、藤井さんはどうごらんになってますか」

藤井

「これもですね、私は元自民党の議員ですからね、今幹部の人はよく知ってます。谷垣さんという方は本来、融和主義者です。良識ある人です。と、私は信じておりますね。だけど今のお話のように、どの党もと言っていいでしょうね、二つのグループがあるんですね」

御厨

「そうですね」

藤井

「それに乗っかってるということですが、私はどちらの党も良識が最後は勝つべきだと思ってるんですよ。それは最後は世論だと思います」