時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三五五回('11年6月26日 放送)
 「『これ』でいいのか。『これから』どうする。
  怒れる国民!国会よ 菅よ 岡田よ」

 ゲスト: 野中広務 氏 / 増田寛也 氏

御厨

「電力問題に詳しい増田さんにお聞きしたいんですが、この法案のポイントですね。メリット、デメリットを含めて、ちょっとお話をしていただけますか」

増田

「電力会社が固定価格で買い取りをするというところがポイントだと思うんですね。自然再生エネルギーというのはどうしてもコストが高くなるんですが、その分をどうやっていろいろ消費者に転嫁をするかというところがやっぱり難しくて、この法案が通ると、恐らく電力会社は電力を使う人たちに価格を高くして転嫁をすると。ですから自然再生エネルギーというか、風力、太陽光などは、これによって従来よりは安くなる」

御厨

「やりやすくなるということだね」

増田

「ただし電力を非常に多く使う企業にとっては当然、原価が高くなります」

御厨

「そうですよね」

増田

「ですから経団連を初め大企業は、これに対して難色を示してるかのようではありますが、一方で、風力とか太陽光などをビジネスチャンスと思っている企業は、こういう制度で自分たちのビジネスを広げていこうと。ですから、経済界も必ずしも反対一色ということではないと思います」

御厨

「なるほど。野中さん、どうでしょう。突然菅さんが言い出したこの法案ですけども、どうお考えですか」

野中

「やっぱり原発がこれだけ批判を受け、事故の結果が深刻であれば当然出てくるべき案だと思うんですけれども、もっと早く今まで普及しておらなきゃいけないし、そして電力会社も関西が最初でしたけれども、昭和40年代に、もう高圧線の通っている山も田んぼも全部、線下補償というのをしとる。線路の下は全部。

電気を利用してるところは個人を含めて全部負担してるわけで、こういうことを初めから金ありき、何でも金ありきで、原発を自分のところへ持ってくればずっと何でもよくなるという風潮で来た今までの考え方をまず変えて、そして、そういう中から自然エネルギーというものがどれだけできるか早急に考えなければ、なかなかあちらこちら珍しくてやったけれども、ここで成功したという例を聞かないんですよね」

御厨

「そうですね」

野中

「だから非常に難しいことだと思います」