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第三四九回('11年5月15日 放送)
 「負けるな日本・国難を乗り越えるためには」
 〜震災から2か月。国会まで1か月〜
 ゲスト: 仙谷由人 氏 / ジェラルド・カーティス 氏

仙谷

「例えば瓦れきの処理に関して申し上げますと、環境庁の廃棄物処理の予算というのは、本予算は500億なんですよ。今度、1次補正でついた廃棄物処理の予算は3600億なんです。そうすると普通の年は500億なんだけど、今年は4000億ついてるという話なんですね、今の時点で」

御厨

「はい」

仙谷

「これを秋から冬までに使い切って、今のあそこのまだ大量に町なかにというかいろんなところにある瓦れきを、廃棄物を処理できれば復興のステージに乗れると思うんですが、むしろそのことは予算を使い切ってしまって足りないぐらいのほうがありがたいんだけども、どうもしかし」

御厨

「うまくいかない」

仙谷

「いやいや。単年度500億しかやったことのない経験が、その4倍をやるマンパワーも含めて、果たしてそういう動員の仕方ができるのかどうなのかというのは、これは国も問われてるんですが、県や市町村も問われてる。こういう話になるんじゃないでしょうか」

御厨

「カーティスさん、どうお考えでしょう」

カーティス

「今、仙谷さんがおっしゃるとおりのことだと思うんですが、結局この本予算を通すためには、お互いに与党も野党も妥協しなければならないですね」

御厨

「そうですね」

カーティス

「民主党がマニフェストを出したのは、津波のずっと前ですから、当然今マニフェストを守るとかいうのはおかしいと思うんで。だから子どもの手当とかいろんなことで野党の意見もよく受けて、何か大胆な修正をする。また野党も、とにかく菅総理はだめだだめだと足を引っ張ろうとばかりすると、多分一般の国民から見れば情けないと思うんじゃないですか。

ですから今、この政権を支えなければ日本は大変なことになるという気持ちで、緊張感で、何とかお互いに妥協して、そしたら予算も通してもっとスピーディーにいろんなことをする。それをやっぱり望むしかないですね 」

御厨

「今、子ども手当という話が出ましたけども、一律1万円にして被災地以外は所得制限つきというのが公明党案ですけども、公明党と妥協するためにそこをのんじゃうみたいなそういう話はどうなんですか」

仙谷

「いや、だから僕はあくまでも被災者の目線あるいは被災地の復旧復興、それが第一義的にですね、これ福島原発の問題ともども考えられるべきで、今政治家に必要なことは、そのことができるんであればあらゆる妥協は必要だと僕は思ってます。

この政策にこんなに意味があるんだと、政治的、歴史的、政策的あるいはどんな意味があるんだと言っても、この局面は半年や1年は何よりも復旧復興と福島原発を収束させる方向に持っていくこと、ここのためにはすべての妥協は許されると私は思ってます」