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第三四六回('11年4月24日 放送)
 「ファイト!日本」
 〜「国難」を乗り越えるために、今、何を〜
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 石破茂 氏

御厨

「石破さん、さっきの世論調査では、国民はとにかくやることはやってほしいという気分である。大連立がいいかどうかは別として、6割が受け入れているというのが今の実情です。自民党も共同で復興基本法を提出するというお話が確かあったと思うんですが、これはまだ続いているんでしょうか。それともあきらめられた?」

石破

「いや、共同で出すか出さないかは別にして、阪神大震災のときは、復興庁あるいは、再生院みたいなものをつくらなかったですよ」

御厨

「つくりませんね」

石破

「それは地域が今回に比べれば狭かった。そして原発もなかった。比較的財政力が豊かだった。農業も漁業も林業もなかった。過疎地、少子高齢化、そういう問題も今回に比べれば様相が違っていたわけです。今度は地方の縮図みたいな話であって、そこはスーパー官庁みたいなものも必要なんじゃないかと。時限的にね」

御厨

「時限的ですね」

石破

「阪神と一緒でいいという話にならないから。それを軸とした基本法を我々は考えた。それを党内でずっと議論しています。この間、骨子を承認しました。これから法律案になります。それに民主党の皆さん方が「よし、そうだ」と言っていただけるのであれば、それはそれでいいんじゃないですか。自分たちの案が固まらないで一緒にやろう、やろうと言っても、時間がかかる一方ですよ。

本当に考え方を共有するのであれば、こういう法律って内閣からなかなか出てこないものなんですよ。官庁は権限を渡すのを嫌がるし、そういう法律をつくるのはものすごく面倒くさいし、これこそ政治家がこうあるべきだと言って、それに責任を持つということがとても大事だと思っています。自民党の案を公明党さんが一緒につくっていただいてもいい、それに民主党さんが乗ってくれる。それが被災者のためだったら、それでいいじゃないかと私は思っています」

御厨

「藤井さん、いかがでしょう。今のお話」

藤井

「非常に大事なことを言ってくださっていると思いますね。とにかく財源も含め、それから御厨先生がやってくださっている心の持ち方ですね、社会改革の問題もありますが、それは今日は除きましょう。まずそういうときには、帝都復興院ってあるでしょう」

御厨

「はい。昔はそうですね」

藤井

「御厨先生の言葉をそのまま使わせていただくと、後藤新平みたいな異端児はいない。私もそのとおりだと思うんですよ。異端児だかどうかは知りませんが、これだけ立派な人はいないです。いないなら、そういうものをつくっても屋上屋になるんですね。どうせどこかの適当な人を引っ張ってきますから。ですから、私は復興院は要らないと思っています。

しかし、いま石破さんも言われたような復興の基本法、これは絶対に要るわけですね。それが今の社会改革のあり方まで行くかどうかは別として、少なくとも経済的な意味における、あるいは財政的な意味におけるものは要るでしょう。これはどこが出したとか、そういうことは私はあまり興味ないんですよ。はっきり言えば全然興味ないんです。政党そのものに今の時点で私は興味ないですから」

御厨

「いいんですか、そうおっしゃって」

藤井

「いいです。政党の問題じゃないんです、これは」