「いま野中先輩に褒めていただいて何かむずむずするような気持ちなんですが、(笑)私は去年1月に財務大臣をやめさせていただいたときに、もう体がもたないんですということで、そのかわり後から続く、これからの若い主役をどうにか育てたいということだけやりますと。
今も同じ心境なんですね。1年間それをやってまいりました。で、そういう同じ心境で今おりますから、あくまでも裏方に徹すべきだと思っております。それで裏から今の若い官房長官以下をお育てするという。お育てと言うと大変失礼ですが、私の今までの経験といいましょうか、過去にどういう事態のときに先輩たちはどういうふうな発想をしたかというようなことをお話をする役だと思っております。
今の話は野中先輩の非常に厳しい、鋭いご指摘だと思いますが、人間ですから両面あるんですね。彼は確かに長い目で経済を見る力はあると思うんですよ。700人以上いますが、目先の経済のことばっかり言う人は幾らもいます。しかし長い目で経済というものを考える人というのはそんなにいない。その1人であることは間違いないと思いますが、今の前半のご指摘というか、そういうものについては私も野中先輩のお話は承りたいと思います」 |