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第三三五回('11年1月23日 放送)
 「いよいよ通常国会」
 ゲスト: 玄葉光一郎 氏 / 石破茂 氏

石破

「税制抜本改革をやらないとすれば、こういう予算にならざるを得ないんだろうなと」

玄葉

「そうですね。そういうことですね」

石破

「あわせてマニフェストを撤回しなければ、こういう予算にならざるを得ないんだろうなということですね」

玄葉

「そのとおりです」

御厨

「なるほど」

石破

「全部が悪いとは言わんですよ。個々を見ればああ、この政策いいなというのもあります。自民党でもやりたかったなというのはあります。ただ、とにかく埋蔵金ももうないわけですよ。『ここ掘れ、わんわん』と言っても、どこを掘っても何も出てこないわけ。これがもう最後の予算なんだから、その財政破綻というものが本当に現実味を帯びてきたねという感じが私はしてるんです。だから、税制改正しないマニフェストを基本的にするとこういう予算にならざるを得ない」

「だから、民主党としては何とか何とかつじつまを合わせて、さあどうですかという話なんだが、もう自民党だろうが民主党だろうが財政が破綻しちゃったらどうにもならんわけですよ」

御厨

「玄葉さん、どうでしょう」

玄葉

「まず、先ほどおっしゃったように平成23年度の予算というのは、与えられた条件のもとでは私はベストな予算だと確信をしています。ただその条件が問題で、おっしゃったとおり税制の抜本改革なしで臨んだ予算だということですね。その財政健全化法案は、一言で申し上げれば考え方は同じです。2015年までに、これはプライマリーバランスという資料を使っておりますけれども、赤字額を半分にして、2020年度には黒字化するという考え方は一緒です」

「ただ、もちろん議論が必要になります。ですから、マニフェストの総点検というのもやっていかなければならない。実はもう既に先ほど申し上げたことに加えて、例えば医師不足ということで診療報酬を10年ぶりに上げたり、あるいはヘルパーさんの給料が安過ぎるということで、介護報酬を上げたり、実は約束したことは相当やったんです」

「そして、財源も実は恒久財源は約4兆ぐらいしか捻出できていませんが、先ほど石破会長がおっしゃったとおり、埋蔵金はもともと実は5兆円を活用すると言っていたのに、既に9兆活用しました。ということは、かなり枯渇しているということです、逆に言えば」

御厨

「もうないということですね」

玄葉

「特例法をつくって、法律をつくって、活用する埋蔵金はそのくらい使いましたので、そういう意味では約束事はやってるんですが、社会保障の自然増、これは毎年1.2兆、約1兆以上あります。実はそのことはカウントできてなかったということもあります」

「ですから、やはり将来世代のことを考えますと、社会保障制度を維持したり、機能を強化したり、そしてこの財政の問題を考えていくときには、こういった議論は避けるわけにはいかない。正面から向き合わなきゃいけないと思っています」