時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第三二二回('10年10月17日 放送)
 「ねじれ国会の真ん中で」
 ゲスト: 藤井裕久 氏 / 石破茂 氏

― “ねじれ国会”仙谷官房長官の国会答弁に
御厨

「石破さんからすると仙谷さんがいろんな場面で出てくるということは、自民党にとっては論戦しやすいことになります?どうなんでしょう」

石破

「総理がご存じないことを聞いて、あなた答えられないでしょうと言ったってしょうがない話であって、閣僚の中で答える能力がある人が答えればいいんですよ。仙谷さんの場合には、やや暴走気味なところもありますので、そこはやっぱり何回かやってくるとそういうこともなくなるんだろうと。

ただ、一つだけお願いしたいのは、私のときはあまり論点をはぐらかしている気がしなくて、正面から答えていただいたなという感じはあるんですけれども、時にはわざと論点をずらす、あるいは相手が法律的な知識がやや足りないと、わーっと法律的な話をして、わからないまま逃げちゃうみたいなところがあって、今回政治介入――介入と言って悪ければ関与があったかなかったかの話なんですけど、私たちは野党なんで、これが証拠だというのがないわけですよ」

御厨

「それはそうですね」

石破

「状況証拠だけだから。そうすると、仙谷さんは弁護士出身だから、証拠を出すのはおまえらの責任だろう、挙証責任はおまえらにあるんだろうということになって、起訴便宜主義とはなんていう話で、すらっと逃げちゃう。起訴便宜主義の認識違いませんかということをこっちが聞かないと、答弁がかみ合わないまますっと逃げられちゃう。弁護士のテクニックというのはよく持っていますから、気をつけないと術中にはまりますよ」

御厨

「ああ、じゃあ逆に自民党としては、結構手ごわいから、これは気をつけて、また攻め方に工夫がいるということですか」

石破

「攻め方は相当に工夫しないと、うまいぐあいにごまかされちゃう危険性がありますので、やっぱり我々としてはとにかく仙谷さんの動向をよく読んで、こう言われたらこう切り返せというのは、仙ちゃん対策委員会でもつくらないと」

御厨

「仙ちゃん対策委員会(笑)、なるほど、そうか。藤井さん、どうですかね。団塊の世代の新しいヒーローという説もあるんですけれども、やっぱりそういうふうにごらんになります?」

藤井

「うーん、そうですね。あの方は私心がないとさっき申しましたけれど、僕はこれは非常に立派なことだと思っているんですよ。若干体が弱いところがおありでしょう。ですから、そういう意味では逆に私心がないということが素直に出てきておられるんだと思うんです。ただ、ヒーローと言うと、またあの方にかわいそうですな。という感じがします。あまり持ち上げないほうがいいと思います」