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第三〇一回('10年5月16日 放送)
 「“5月政局”の中で…」
 〜迷走する普天間問題に〜
 ゲスト: 片山善博 氏 / ジェラルド・カーティス 氏

御厨

「平野官房長官が、このタイミングで2回にわたって沖縄の負担軽減を掲げて、徳之島訪問。何とも場当たり的な印象ですが、1回目の訪問の相手は、町会議員。片山さんどうご覧になっていますか?」

片山

「やっぱり手順とかですね、時期を失礼ですけどやっぱり間違えてると思いますね。8月31日症候群という言葉があるんです。長い夏休みがあって8月31日になって、まだ出来ていないってなバタバタしますね。ホントはもっと早く打つべき手を打っておかれた方が良かったと思いますね。相手も地域の了解を取ろうと思ったら、そうは言っても町長さんなんです。そこが上手く扉が開かないからと言って今度、町会議員とか、経済団体とか、いきはじめるとこれ、切り崩し工作ですよね。これは地域を二分するとか、それから波風が立つんですね、どうしても。あんまり本来はやられるべき事ではないと思いますね」

御厨

「カーティスさん、どうご覧になりますか?」

カーティス

「この普天間問題に対しての、この政権の対応のマズさ、この素人っぽさ。それが自分で5月末ってデッドラインを作りながら全く決断出来ないような状況になって慌てて、徳之島の町会議員1人1人会ったり、もう何を考えていらっしゃるか、さっぱりわからない。戦略もない。それで日本の国民に対しての説明もない。アメリカに対しても説明もない。

総理大臣になってから『初めて抑止力分かりました』というような事を言うんだけれども、何故沖縄に海兵隊が抑止力の為に必要であるかという説明もしない。私は沖縄の人々に対してお詫びをするよりも沖縄に対してまず、ありがとうと言うべきだと思いますね。あそこの戦略的な重要性分かってる方々、沖縄にもたくさんいらっしゃるので、沖縄は日本を守る為に日米同盟関係を日本が作って、それを沖縄が大変負担を持ってるって言うのは、ありがたい事であるというね。お詫びをするというよりも、サンキューと言った方が僕は、いいと思うし。問題は、いっぱいあります。

いずれにしても、5月末には結論だせないから、しばらくクーリングオフしてもっと大きな戦略的な対話。沖縄との対話。日本人国内の対話。アメリカとの対話する必要あるんじゃないかなという感じがしますね」