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第二九五回('10年3月28日 放送)
 「今、民主党に何が起きているのか?」
 〜生方氏「解任」・「留任」で見えたこと〜
 ゲスト: 渡部恒三 氏 / 武村正義 氏

― 生方副幹事長「解任」から、一転「留任」へ
御厨

「渡部さんは、生方さんの『権限と財源を1人が握っている』との言い分。どう思われましたか?」

渡部

「国民の皆さんもそう思ってるんじゃないの?御厨先生もそう思ってるんじゃないの?しかし民主党の議員でそう言ったのは、生方君が初めてだな」

御厨

「はい」

渡部

「私も抽象的には、こんな感じのことを、この番組でも言ってますがね」

御厨

「武村さんは、やはり民主党は『小沢支配だ』と?」

武村

「みんなそう思っているでしょう。私もそう思っているし。そして、それはまた正常じゃないと、みんな思っているんじゃないですか」

御厨

「そうですね」

武村

「民主主義のど真ん中で、1人の人間が独裁的な存在になっている。これはどう見ても、健全とは言えないし、国民の常識に合わない状況になっている」

御厨

「はい」

武村

「生方さんは、ごく当たり前の国民常識に合った事を勇気をおこして言っているだけであって、言わない多くの議員の方がおかしいんじゃないですか」

御厨

「そうですね」

武村

「私は、自民党の頃を思い出しても、渡部先生が、国対委員長の時も手上げて『リクルート事件の反省をすべきだ』と発言したこともありましたし」

御厨

「はい」

武村

「総務会で番外発言をしたり、全部が正しいとは思いませんが、そういう雰囲気が自民党にはありましたから。民主党も、もう少し明るくなって欲しいと思いますね」

御厨

「当初の『生方氏・解任』は、小沢さんの意志ですか?」

渡部

「いや小沢君が、何を指示したわけでもないのに、周りの者が、小沢君におべっかを使って色々とやるんですよ」

御厨

「なるほど」

渡部

「今度の人事の問題も、私しか、しゃべる者がいないから『こんな事が通ったら、民主党は潰れる。民主主義政党ではない』『民主党は、小沢の党じゃない。国民のみなさんの党だ』と言い続けていたんです」

御厨

「はい」

渡部

「国民から選ばれた国会議員は、国民のみなさんの期待に応えるために、党に対する発言権は、平等でなきゃならないでしょ」

御厨

「そうですね」

渡部

「小沢君とは、長い付き合いですが、人事の問題では、なかなか妥協しない。政策の点では、簡単に妥協するんですがね。しかし、今度は、鳩山君の指示で、小沢君の方が折れてくれて良かった」

御厨

「本当に、小沢さんは、鳩山首相に言われて撤回したんですか?」

渡部

「そこの所ですがね、鳩山君は黙っていて、最後に、小沢幹事長そんな不法な事は止めろって言えば、立派だって事になるのに、毎回ちょびっと、小沢君に同調するみたいな事を言っているんで、あんまりぱっとしないんですが」

御厨

「はい」

渡部

「しかし、やっぱり今度は、鳩山君の決断、鶴の一声で決まったと。こういう事にしてください」

御厨

「してくださいって言われても困るのですが。武村さん、どうですか?」

武村

「この生方さんの『解任』と『留任』のドラマは、ちょっとマンガのような気がしますが、ちょっぴり救いがあるのは、小沢さんも悩んでいるんだな、迷っているんだな、というのが、チラッと見えましたね」

御厨

「そうですね」

武村

「昨年は、1年生議員は『仕分け』から、全部はずされましたが、今度は全部やれ、なんて事をおっしゃっているようで、小沢さんも日々、迷いながら、苦しみながらやっているというのが見えてきました」

御厨

「はい」

武村

「それはちょっと、ひょっとしたら救いになるかもしれない」