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第二九四回('10年3月21日 放送)
 「『民主党らしさ』を取り戻すために…」
 ゲスト: 枝野幸男 氏 / 片山善博 氏

― 「事業仕分け・第2弾」に向けて
御厨

「仕分けの第2弾が始まるわけですが、何がポイントですか?」

枝野

「やはり既得権、古い利権や利益誘導、こういう構造に遠慮なくメスを入れる。その事が期待されていると思います」

片山

「枝野さんのおっしゃった通り『公正さ』とか『透明性』とか、そういう事を国民は一番期待していますね」

御厨

「やはり、そうですね」

片山

「従来の予算編成は、密室の中で行われ、変なものがいっぱい入っていた。それを体育館に引きずり出して、衆人環視の中でやったわけです」

御厨

「はい」

片山

「この事をショーだとか、言う人もいますけど、本質は透明化それから不公正を暴いていったという事なんです。これは一番、民主党らしいところだと思います」

御厨

「今回の仕分けは『公益法人』『独立行政法人』が、ターゲットですが、どのようにメスを入れますか?」

枝野

「2つあります。1つは、そこでやっている仕事自体が意味のない事に税金を使っていないか。もう1つは、そこでやってる仕事自体は意味のある事だとしても、そこにどうして役所のOBが、天下っているのか」

御厨

「なるほど」

枝野

「本来『公益法人』は、民間法人なんです。民間のみなさんが集まって社団法人を作って、民間のお金を出し合って、財団法人を作っいるのに、そこの役員を役所のOBが占めているのは、矛盾なんです」

御厨

「そうですね」

枝野

「だから役所のOBの天下りのために組織が作られ、その天下りのために仕事が作られ、そのためにお金が使われているという構造が、やはり濃厚に疑われると」

御厨

「なるほど」

枝野

「そこをしっかりと、本当に国がお金を出してやってもらうべき仕事なのか、できるだけ具体的に明らかにしたいと思います」

片山

「はっきり言うと、多くの公益法人の目的は何かっていうと、それは、天下り先を作るって事なんですよ。その時に何か国民のためになるような題材を使っている」

御厨

「なるほど」

片山

「例えば、空港の駐車場なんかも、従来、無料の空港が多かったんですね。ところが、混むので、混雑緩和のためにも有料化しようという話になった。そこまでは、いいんです」

御厨

「はい」

片山

「ところが、そこにまた『公益法人』を作って、国が土地をインサイダーで、随意で、低額で『公益法人』に貸すわけです。そこで儲けるわけですよ」

御厨

「なるほど」

片山

「国民の財産を飯の種にして、自分たちがサイドビジネスをしている典型例ですね」

枝野

「まさにこの構造が1つのパターンなんです。役所は、赤字で大変。ところがそこの財産を使わせてもらっている子会社的な『公益法人』は、べらぼうな利益を上げて、お金をストックし、天下りをはじめとして、色んな事をやっている」

御厨

「なるほど」

枝野

「こういう矛盾を内在している制度にも、最終的には、今回の仕分けの結果を踏まえてメスを入れたいと思っています」

御厨

「いや、ぜひお願いします」

枝野

「あと昨年の事業仕分けをやって、今度は『独立行政法人』や『公益法人』をやりますと、あらかじめ言っているので、相当部分は、さすがに自ら『これは、仕分けの場に出されて、追及されたらもたない』という事で」

御厨

「はい」

枝野

「『公益法人』『独立行政法人』の3分の1ぐらいは自ら、天下りを止めていこうとか、事業を縮小しようとか、あるいは入札の仕組みを変えていこうとか、そういう事が始まっているんです」

御厨

「そうですか」

枝野

「ですから『仕分け』という牽制をすることで、国民の目から見ておかしいものは、そのうちバレますよという状況に追い込んでいくことも、大きな効果だと思っています」