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第二八九回('10年2月14日 放送)
 「小沢氏、正面突破へ」
 〜大丈夫か民主党〜
 ゲスト: 細野豪志 氏 / 片山善博 氏

― 陳情の幹事長室一元化について
御厨

「細野さんは、副幹事長として、3000件の陳情の取りまとめ役でしたが、どんな感じでしたか?」

細野

「秋のシーズンというのは、霞ヶ関詣でのシーズンで、国土交通省のエレベーターは、大変な混雑をする。これが一昨年までの状況なんです。今回からは出来るだけ、霞が関に来て頂かなくても、地元で要望を受けをしましょうという風に変えました」

御厨

「なるほど」

細野

「まず、都道府県連で数百ずつまとめて、それに優先順位をつけたものを、幹事長室に持ち込むと。その中でまた精査をして、政府に届けるという事をやったんです」

御厨

「片山さん、これをどう見ていましたか?ここに来て『個所付け』問題も出てきていますが?」

片山

「陳情を党で受けるのは、評価すべき点もあるんですよ。例えば、今までは、法律を変えるような事まで、つまり『立法』に関する事まで、『行政』である役所に陳情していたんですよ」

御厨

「なるほど」

片山

「例えば自治体が、この法律を変えてくださいと言って、本来、法律を変えるのは国会なのに、役所にお願いに行く。これは非常におかしいんです。これを政党の方で、国会側で受けるというのは、いい事だと思います」

御厨

「確かに」

片山

「もう1つは、個所付け。これは、道路事業、河川事業、空港とか、色んな公共事業がありますが、特に道路とか河川の国の予算は、総枠で決まるんですね。全体で、何兆円とか何千億円とか」

御厨

「はい」

片山

「それを、この県の、どの自治体の、どの個所で工事をするか。これを『個所付け』と言うんですが、これは該当の役所がやるんです」

御厨

「はい」

片山

「そこで先ほど細野さんが言われたように、河川局とか道路局などに陳情団が押し寄せるわけですよ。しかし、これではいけないと、今度、民主党は、幹事長室で受ける事にされたんですね」

御厨

「はい」

片山

「でも本当は、陳情団が行かなくてもいいようにするのが、政治のやるべき事で、例えば、きちんとルール化をするとか、いちいち国に『個所付け』のお願いに行かなくてもいいようにするのが、地域主権の本来のあり方だと思うんです」

御厨

「なるほど」

片山

「それを今は、幹事長室で、全部受ける事にしていますね。それは私は、あまり評価してないんです。その結果、今回、『個所付け』を党の方から出してしまった。本来これは役所の作業なんですよ」

御厨

「そうですね」

片山

「役所の作業の下請けをしたのか、先取りをして党が出したというのは、いささか異常な事態だと思うんですよね」

御厨

「細野さん、いかがですか?」

細野

「我々は『個所付け』とは呼んでいなくて『仮配分』と呼んでいます。大体これ位の予算の幅で、1つずつの事業が、配分されそうですよ、という姿を示したものなんですね」

御厨

「なるほど」

細野

「そこでちょっと誤解をされているのが、昨年末にもうすでに国土交通省の地方整備局から、内々に、こんな枠ですと、県知事のとこに情報が行っているんです」

御厨

「そうなんですか」

細野

「それをより精査をして、今の段階では、こういうものだと党側に、また内々に知らせたという事なんで、初めて予算を出してるわけでもないし『個所付け』のように、決め打ちをしているわけでもないんです」

御厨

「なるほど」

細野

「ですから、要望が上がってきたものに関しては、ある程度方向性が出た段階で、大よその姿を示していこうという政府と与党のやり取りという事なんです」

片山

「そこまではいいと思うんですよ。でもそうであれば、その情報は、オープンになるわけだから、国会から出せと言われたら、もう四の五の言わずに、さっと出すべきものだったんですね。そこがちょっと見苦しかったですね」

細野

「自民党サイドから要望が来たものに関しては、政府の側としても情報を出す努力はしていまして、 やり方に少し混乱があったのは事実ですが、考え方自体は、決して悪い事じゃないと私は思っています」