御厨 |
「結局、補正予算の規模は、どのくらいになるのですか?」 |
亀井 |
「最初、菅さんが、2.7兆円だと言うから、それではダメだと。そんな前政権の補正予算を執行停止した額の範囲内で、現在の経済に対応しようという考え方が、基本的に間違っている」 |
御厨 |
「そうですか」 |
亀井 |
「今日、この時点において、何が必要かという事を、大胆に思い切ってやっていくべきであって、その結果として何兆円になるかという話だと、申し上げているところです」 |
御厨 |
「なるほど」 |
亀井 |
「やはり民間がお金を出せないのであれば、政府が出していく。少なくとも刺激になるものを補正予算や、本予算で組んでいくことをやらなきゃ。国民新党は、嫌われながらも、愚直に、今も主張しておる最中なんです」 |
野中 |
「政府は、国債発行にこだわって、何をする事が国民の窮状に応える事かという政治の基本が、分かってないと思うんですね」 |
亀井 |
「やはりマニフェストは、国民との約束だからやることは大事。しかし、そういう予算を編成していく事だけで、今の経済が、本当に上昇過程に入っていけるのか?」 |
御厨 |
「はい」 |
亀井 |
「よくこの内閣で、金よりも知恵だと言っている。それは確かに、知恵は出さないかん。しかし、知恵を実行するには、金もいることも事実なんでね」 |
御厨 |
「なるほど」 |
亀井 |
「ただ夢を描いただけのような、ブレインストーミングをやっておったって、現実はドンドン大変な状況になるぞと」 |