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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第二五○回 ('09年5月3日放送)
  「ゴールデンウィーク」
  〜明ければカウントダウン選挙〜
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 渡部恒三 氏

― 過去最大!15兆円の追加経済対策
御厨

「この大型の景気対策。塩川さん、いかがですか?」

塩川

「景気を永続性に発展させ、活性化していくための手立てが見えない。私は皮肉で言ってるのですが『散髪屋の香水やな』と」

御厨

「散髪屋の香水ですか?」

塩川

「散髪してもらった後、ちょっと良い匂いがするけど、勝手口を出たら消えちゃってる。そんな感じがしますね」

御厨

「なるほど(笑)」

塩川

「永続性のある経済政策をやってもらいたい。そのためにはもう1度、色んな規制を見直してもらって、もう少し民間が自由に活動しやすいような土壌をつくることだと思いますね」

御厨

「恒三さん、いかがでしょう?国債44兆円ですよ。小泉時代以来、安倍さん、福田さんと国債が30兆円の枠を超えるかどうかで議論していたのに、そこを一挙に飛んでしまった」

渡部

「おっしゃる通り。小泉君が『30兆以上国債を出さない』と、地方交付税を削ったり、随分地方の皆さんや、農業をしながら働いてる人に迷惑かけてるんですよね。でも、国は800兆円借金があるから『国債を増やしちゃイカン』ということで」

御厨

「そうですね」

渡部

「ところが麻生君のやってるのを見ると、全くそんな考えないですね。恐らく、初めてじゃないか、税収よりも国債が多くなるかもしれない。大変な事ですよ。だから国民はこのツケが『来年の消費税にくるんじゃないか』と心配するから、ますますお金を使わない」

御厨

「内需拡大しないと」

渡部

「それから『子育て応援特別手当』ですか、あれ『1年きり』なんですね。1年きりで、子育てが終わるはずないでしょ。ただの選挙目当てのばらまき。しかも子供たちにツケをする赤字国債を出して、全くメチャクチャだね」

塩川

「もっと民間の金を活用する方法を講じなきゃダメですよ。全部、政府が金をばらまいて、政府の力で景気を良くしようとしても限度があります」


― 小沢代表の進退問題は?
塩川

「これは、最初、小沢さんは取っ掛かりを間違ったと思いますね。始めから喧嘩売っちゃったでしょ。ですからこの後始末が難しいところ。検察庁の方も、突っ込んで話を聞きたいと思っても、国会開会中だから出来ない」

御厨

「なるほど」

塩川

「国会が終わったら、解散かどうなるか分かりませんが、そうなれば検察庁の動きもまたあるだろうと思うんです。ですから、今、潮が引いた次の波が来るまでの間なんですね。そういう時期だと思うんです」

御厨

「民主党内から、小沢降ろしの声があがりませんが」

塩川

「民主党も悩みが多いと思いますよ。小沢さんは、参議院であれだけの大勝をした。その実績があるもんだから、党内の意見が、なかなかまとめ難いと思うんですね」

御厨

「恒三さん、いかがですか?」

渡部

「私は、小沢代表に『辞めろ』とも『辞めるな』とも、いっぺんも言ってないんです」

御厨

「そうですか」

渡部

「何よりも今、大事なことは、総選挙で民主党が勝たせて頂くこと。国のために、政権交代すること。そのために小沢君が、代表で選挙を戦うことが有利か、不利か。小沢君が辞任した方が、勝てる可能性が強くなるか、そういう中で、小沢君自身が判断すること」

御厨

「でも『選挙に勝てないならば小沢さんに辞めてもらおう』という動きは、民主党内に出ないですか?」

渡部

「その点も、国民の皆さんに誤解を受けていますが、党内がゴタゴタしたという風に国民から見られないように、若い人で色んな事を言おうとする人に『ちょっと君、辛抱しろ』と私が言って、いろんな発言を我慢してもらっているところもあるんです」

御厨

「なるほど」

渡部

「その点は、私は若い人、中堅の議員に重い、重い責任を感じてます。しかし、重ねて申し上げますが、小沢君の出処進退は、小沢君が判断することです。そして小沢君が判断した場合、民主党は一致結束。その為に党内がゴタゴタするなんてことはありません」