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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第二二六回 ('08年11月9日放送)
  「アメリカは変わった。日本はまだ。」
  〜でも、潮目だ!〜
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 武村正義 氏

― どうして?こんなに迷走!?「定額給付金」
御厨

「麻生首相は最初は『全所帯』と言ったのに、なんでこんな風に変わるのでしょう?」

塩川

「イメージだけで、迂闊にものを言っているんでしょうな。『定額減税をやって消費を拡大しよう』というイメージだけある。しかし定額減税がどういうものか、本当は知らないんだろうと思うんです」

御厨

「う〜ん」

塩川

「最近になってから『給付方式になる』と言ってますでしょ。はじめから『給付方式』でやらざるを得ないでしょう。そして『給付方式』が前提にあれば、『全所帯』なんて言いませんよ」

御厨

「そうですね」

塩川

「最初の定額減税なら『税』ですから、『税』は公平に、公平にということは『全所帯』だったんですが・・・今度『給付方式』に変えても『全所帯』と、ポッと言ってしまったんでしょう。ですから、麻生さん自身が、実態を掴んでいないで言ったんじゃないかなと、私は思うんですね」

武村

「私は固いことを言いますけれども、内閣官房の事務方の副長官が、きちんと麻生総理に内閣法を説明する必要があるんじゃないかと。総理大臣はアメリカの大統領と違いますからね。何もかも自分でポンポン決められる立場じゃないんですよね」

御厨

「なるほど」

武村

「閣議を主催する、発議する権限はありますが、進めるのは各大臣です。その基本をキチンと認識されていないと、政府の中でもまとまっていない未熟なものをポンポン、ポンポン総理大臣が先走って、数字まで「6万円」とかおっしゃるのは、それはちょっと早すぎる」

塩川

「あのね、今度の緊急経済対策で何を狙っているかハッキリしないんです。対象をきちんとして、政策を決めてほしい」

武村

「給付金というこの案は、ナンセンスとまではいいませんが、バラマキの最たるもので、国はお金がなくて借金を背負っているのに、ニコニコしてお金をばらまく。そんな政府の台所の状況かよと」

御厨

「そうですね」

武村

「多くの国民はそれを感じてますから、だからなんか違和感を感じるし、世論調査でもそんなに嬉しいと、みんな答えていないですよね。選挙直前に生々しく現金を全世帯にばらまくというのは、どう考えても政治じゃないですね」