時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
第二二五回 ('08年11月2日放送)
  「アメリカは変わる。日本は見送りました。」
  ゲスト: 野中広務 氏 / 半藤一利 氏

― 出たぞ!追加景気対策。でも、その内容に「?」
御厨

「定額減税は給付金方式で2兆円。何となく減税じゃなくて、バラマキの感じが・・・」

半藤

「税金をたくさん払っている人も、本当に苦しくて生活している人も同じなんですよね。本当にこんなんで国民は喜ぶんでしょうかね」

御厨

「お金持ちにも一律支給というのはね・・・」

野中

「それは納得いきませんよ。これはね、給付金によってですよ、選挙の買収だと言われても仕方がないですよ」

御厨

「後期高齢者に『病院に行くのは我慢しろ』みたいなことで、それでお金をバラマイちゃうのはね・・・」

半藤

「変な感じですよね。どこかの新聞が『お金で票を買うつもりなのか』と批評してましたけれども、ちょっと一瞬そう思いましたね」

野中

「あと高速道路とかね、こんなものは民主党のパクリですね。高速料金はスピードに対するサービス料ですから、新幹線が高いのと一緒なんです。それを一番混む休日だけ1000円というのは『なぜこんな事をしたんだろう』と、私も党におった人間として悲しく思います」

― そして、3年後には消費税を上げると・・・
御厨

「麻生さんが今、こんな事を約束できるのでしょうか?」

半藤

「本当ですよね。景気対策のためには、財政支出を5兆円ぐらい出さなきゃいけないんですよね。財政的には大変な混乱に入るわけで、なんとかしなきゃいけないんでしょうけど、でも本当にこんな事を総理大臣があっさりと言って、実現できるほど単純なんでしょうか?」

野中

「『出す、出す』と出すことばかり言ったから、消費税にも触れなきゃいかんと思ったんでしょうけど、おそらく3年で日本の景気が回復して、そして国民生活が安定するのかという事を考えたら・・・」

御厨

「そうですね」

野中

「今、本当に短期雇用の労働者、あるいはフリーターの人たち、あるいは社会的弱者に手が及んでいかなくてはならないのに、そこに目を向けないで、国民全員にお金を配るみたいな施策はとるべきではないし、やっぱりちょっと言い過ぎたと思って、消費税。避けて通れない事かも分かりませんが、やっぱり、これから税の全体のあり方をどうするか、これを考えなくてはいけないと、私は思うんですよ」