後藤 |
「小泉さんの政界引退。どのようにご覧になりましたか?」 |
堺屋 |
「小泉さんは『自民党をぶっ潰す』とおっしゃったけど、世襲の方はガッチリという感じはなくはないですね(笑)」 |
中曽根 |
「引退と言ってもね、議員を辞めたというだけの話で、政治家としてはこれからまた、広い野原で自由に歌を歌い、踊り踊ると。そういう場所を選んだということだと思いますよ」 |
後藤 |
「ただ議員バッジが無くなるのはどうですか?」 |
中曽根 |
「ちょっと寂しいですけど、しばらく経つと開放感がありましてね。野人というものは宮廷にいる者より何でも言える。そういう意味では勉強はまた進みますね」 |
後藤 |
「中曽根さんは『政治家は歴史法廷の被告人だ』とおっしゃっていますが、今回の小泉さんの引退は、被告席から逃げ出してしまったのでは?」 |
中曽根 |
「いや、これから立つんですよ。現役から離れて、それでいろいろ批評される。ですから、初めて歴史法廷の被告席に立ったんです」 |
堺屋 |
「小泉改革をこれから皆さんが正当に評価して、足らないところは補っていく。進みすぎたところは改正する。残念ながら今、改革は停滞していますよね。その意味では、小泉さんには引退しても改革の旗を振り続けて欲しいと思います」 |
後藤 |
「ところで、中曽根さんは、2003年小泉さんに引退を迫られ、政治的テロだと激怒されたことを憶えているのですが・・・」 |
中曽根 |
「いや、あれは昔の話で、歴史的事実として残っているだけです」 |
後藤 |
「顔も見たくない、みたいなこともおっしゃっていましたけど・・・」 |
中曽根 |
「あの頃はそういう気持ちはありましたよ。だけども、政治家というのはすぐに忘れるものですよ(笑)」 |