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第二一一回 ('08年7月27日放送)
  「政権交代」
  〜今、自民党に出来ること。自民党にはできないこと。
   なら民主党は〜
  ゲスト: 与謝野馨 氏 / 岡田克也 氏

― 「物価高の悲鳴」どのように受け止める?
与謝野

「物価は、食をはじめ、原油、鉄鉱石、原料炭、その他の資源。海外要因で、物価が上昇している側面が非常に強い。またこれは、世界的な傾向です。しかし、政治がそういう事を『対外的要因です』と放置して良いのかという問題があります」

御厨

「そうですね」

与謝野

「やっぱり政府は、政府なりに、『出来るだけのことをする。出来るだけの努力をする』そういう姿勢を国民にお示ししなきゃいけないと、私は思います」

岡田

「G8サミットが1つの大きなチャンスだったわけです。エネルギー価格の高騰、食料価格の上昇、そして地球温暖化。この3つはリンクしている訳ですが、短期的には、投資マネーの流れですよね。これに対する規制が、なんら合意できなかった。残念ですね」

与謝野

「ニューヨークの石油市場を見ていると、やはり投機的な石油の値上がりがあるわけで、これに対しては、政治が掣肘をくわえないといけない。これは世界全体の政治の主導者の責任だと思っています」


― 自民党政権には、緊張感が欠けている!?
岡田

「政策は、基本的にはおまかせですよね、官僚に。法案は、党の部会などにかけられますが、作るのは官僚であって、それが国会に出てくると、与党からの質問は激しいものはありませんから、結局、それがそのまま通っていく」

御厨

「なるほど」

岡田

「だから、後になって、『しまった』というのが出てくる。後期高齢者は、まさしく、そうじゃないですか。やっぱり官僚の発想だとああいうものになる。しかし、政治家が政治家の目で見た時に、『ネーミング』も含めて、あるいは『75歳で切る』という考え方。そういうものが良いのか、2年前に分かっていなきゃいけなかったと思うんです」

御厨

「そうですね」

岡田

「そういうものが、結局、見過ごされて、そして今になって慌てている。それは、やっぱり『緊張感が欠けている』と言われても仕方がないですね」


― 「上げ潮派」VS「財政再建派」の対立に…
与謝野

「この『上げ潮派』って人たちは『経済成長すれば何もかも解決するんだ』と、言っておられる。それは私も経済成長した方が良いと思っています。だけど、成長というのは、演説するより遙かに難しい話で、演説をしていれば成長するものでもない」

御厨

「なるほど」

与謝野

「現にこういう人たちは、アメリカをモデルにして考えていたんですが、アメリカの成長率は2%を切るんじゃないかと。金利も上昇傾向にある。そういう中で、アメリカ経済、中国経済、東南アジア、ヨーロッパの通貨の状況とリンクして動いている訳で、日本1人だけが成長できるというのが、そもそもの間違いじゃないかと思っています」