渡部 |
「私は39年国会議員やってるんだけど、これほど国民の皆さんに申し訳ない、国会は初めてですね。なんかしらけちゃってね」 |
御厨 |
「う〜ん」 |
渡部 |
「だって、総理大臣が『来年から道路特定財源は廃止します』と閣議で決めておいて、しかし今度は『10年間、50億円のお金を使います』という法案を、強引に再可決するなんて」 |
御厨 |
「本当にちょっと理屈では合わない感じで」 |
野中 |
「いや、これはね、与野党を通じて、『国民生活をどうするんだ』『この国をどうするんだ』という国会議員としての責任感が完全に欠如している。根本的に選挙制度を真剣に考えなければ、日本の議会は本当に崩壊してしまうと思いますね」 |
御厨 |
「渡部さんズバリどうでしょう。一般財源化はできますか?」 |
渡部 |
「最近の政府与党は、『必要な道路はつくる』ってよく言うでしょ。それは逆に、『今まで必要ない道路をいっぱいつくってきた』ことの反語なんですよ」 |
御厨 |
「なるほど」 |
渡部 |
「一般財源化するといっても、道路族、国交省の役人たちが、道路の権限は何が何でも離さない。長い間、同じ政党が、政権をとっていたことで、政治と国会と役所が癒着しちゃってる。やっぱりこの辺で、政権が変わらないとね。本当の改革はできないと思います」 |