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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
 第二〇〇回 ('08年5月4日放送)
  「それでも変えない福田さん、自民党」
  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 片山善博 氏

― 「後期高齢者医療制度」 怒りおさまらず
塩川

「情けないなと思うのは、『あんた扶養家族からはずれた』ということなんです。『あんたは人生の終末期に入ったんですよ』と言わんばかりの話やな」

片山

「家族から引き離されるというのは、高齢者にとって、すごく心理的な負担が増えると思うんです。なんか厄介払いをされて、あげく本人も厄介なことをしなきゃいけなくなる。そういうことが大きな反発を招いたと思うんです」

塩川

「医療のお金が不足だったら、もっと色々考え方があると思う。扶養家族から切って計算を別にするんじゃなしに、お金を持っている人には、もっと負担してくれんかと言ってくれた方がいいですよ」

御厨

「お年寄りには、お金を持っている人も、持っていない人もいますからね」

塩川

「今、日本の年金は、悪平等になっている。お金持ちにも、貧しい人にも、同じように年金を出しておる。そこには、相互扶助の精神が働いていない。お金をもっていない人には、うんと厚く、社会保障として給付したらいいと思う。お金のある人には、基礎年金はいいから、その分を医療に回すというような仕組みを作って欲しいですね」

御厨

「どうして、こうなってしまうんでしょう?」

片山

「政府与党がやっている政策形成過程のツケが回ってきていると思うんです。というのは、大体、政府の中は根回しで物事を決めるんですね。国会で議論し、問題点を明らかにし、必要な修正をする、ということをしない。国会議員の皆さんも『問題ないんだな』とお役人に聞くわけですよ。すると、お役人は『先生、問題ありません』というに決まっている。それで、国民が知らない間に通っちゃう」

― 道路特定財源「一般財源化」でも・・・
御厨

「福田総理が会見をしましたね」

片山

「これも、総理には悪いんですけど、まともに受け取られていないですよね。例えば、『不要な天下りを徹底排除することに決めました』って言いますけどね、これが本気で本当なら、霞ヶ関は大騒ぎですよ。でも霞ヶ関は、全く動揺してない。本気でないことを、当の足元のお役人が見抜いているわけですよ」

塩川

「片山さんの言うように、現実はどうなっていくのかということですね。やはり問題は、行政官、政府、国会。この力関係というものを、もう一度やっぱり再構築しなおす必要があるんじゃないかなと思うんです。あまりにもですね、官僚の言い分の方が、強くなりすぎてしまっておるんで。政治主導というのなら、政治家が案を作っていくことが必要なんですね」