御厨 |
「高齢者の方々の怒りは、どこにあるんでしょう?」 |
藤井 |
「日本の医療制度というのは、世界に冠たるもので、それは、相互扶助だと思うんです。ところが、75歳で分けるというのは、世界でも例がない。この仕組みでは、高齢者は、疎外されると」 |
与謝野 |
「これは、負担の問題で怒っておられるのか?『後期高齢者』という名称で怒っておられるのか?何となくの雰囲気で怒っておられるのか?我々よく分からないんですけど。医学の進歩によって、日本人の寿命は随分延びてきた現在、どういう医療制度で誰がそれを払うのか?」 |
藤井 |
「75歳以上の人は別枠で、そこだけで解決しなさいというのは…。団塊の世代がこの枠にくると、ものすごく医療費が膨らむ、すると必ずそこだけ保険料の負担は増えますよね」 |
与謝野 |
「高齢者の方にも、無理のない範囲でご負担をいただくことは、保険制度全体を維持するためには必要ではないかと。そうでないと、若い世代の方が全部それを背負うことになって、それは相互扶助の精神からいえば、違うのではと思うのです」 |
御厨 |
「2年前、法律が決まった時は、どんな状況だったのでしょう?」 |
藤井 |
「小泉政権時代の強行採決なんですね。まだまだ議論しなきゃいけないことが残っていたんです」 |
御厨 |
「でも、強行採決されちゃったと…」 |
藤井 |
「与党の議員一期生たちが強行採決の先頭になりましたね。最近になって、その時、与党で第一線で暴れていた人たちが『こんな事とは知らなかった』って言っていますが、国会議員として情けなさ過ぎるんじゃないか」 |
与謝野 |
「医療というのは、「みんなで負担しなければならない」ということですから、高齢者にも無理のない範囲でご負担を頂く。これは、しかるべき政策だったと思っています」 |