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 第一二八回 ('06年11月26日放送)
  「今、国会はどうなっているのか…」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 御厨貴 氏

就任から2ヶ月、中国訪問以外に安倍新総理に目立った顔がないような気もします。国会でもめているのは、教育基本法です。しかし年金など生活にかかわる話しはどこにいってしまったのでしょうか。政治はこれでいいのか…。



― 郵政造反組の復党問題は…
野中

「小泉総理と武部幹事長のもとで衆議院で可決され、参議院で否決されたのを、衆議院の人だけ処分して、離党し、刺客をたてて、憲政史上例のない選挙をやったわけで…。むしろこれを厳粛に議会制民主主義を守るものとして、反省しなければならないのにね、なぜ、こんなに頑なに、条件提示をするんだろうと…」

岩見

「郵政選挙の反省らしい話が全くないんですよ」

御厨

「それは、小泉さんの闘争から安倍さんの政権の違いで、小泉さんの時の残照が残っていて、国民のほうからみると、安倍政権というのはほとんど、争いごとがほかにないですから、そうするとこの問題ぐらいがね、国民の目からみると、また勝ち負けの問題だなあって映るわけ。

やっぱり、いまだに国民の側からすると見たいというのがあって、だからそのへんは中川さんは感じていて、かなりきびしい条件でとにかく謝れとか、むちゃくちゃ言ってるわけでしょ。要するに、これはおそらく相当程度、土下座をしろって言ってるのと同じですからね。そういうことを言うってのは、多分それを本気でさせようとは私は思ってませんから…。どうやってあとは手打ちをするのか分かりませんけども、とにかく国民の目がまだ怖いんですよ。その勝負期待のね、勝ち負けってのまだ国民の方がこだわってるとこありますからね」

― 安倍政権の支持率が落ちている…
御厨

「やっぱり安倍さんの顔が見えないというか、発言も非常に慎重ですしね。で、微妙に変わるところがあったりして、ああいうのは、今までの小泉政権を見慣れてた国民からすると、非常にものたりないというふうに思うのは当然なんですね。で、安倍さん自身が割と司に任せて、しかも小泉さんのようにのっけから敵をつくって、その敵を殲滅するんだという、そういう勇ましさないですから。

そうすると、今そういう全部こうかためるの姿勢に入ってるとか、やや玄人的なのかなという感じがして。それはね、やっぱりテレビを見てる国民にとっては物足りないっていうのは良く分かります」

野中

「御厨先生がおっしゃったように、司に任せたようにしておられるけれども、やややっぱり抑えて、言わなきゃならんところでは、グッと抑えて、従来の安倍さんに見られなかった努力をしておられますね。だから、私はそんなに世論調査に一喜一憂しないんですけども、これからですね、ジワジワと国民に安倍さんの顔がみえるような、やっぱり全体をやってほしいと」

― 防衛庁の「省」昇格は…
御厨

「前からゴチャゴチャやっていて、ここにきて急にという感じですよね。これはまあ、防衛を担当している人たちにとっては悲願なんだろうと思いますけども、よく分からないのは、防衛省にすることと、官邸の中で補佐官つけてやってる部分との相互の関係を考えるのかってね、あんまりそのこと議論でてないんですよ。

従来から省にしたいっていう人たちがいて、それから今度はその安全保障の中身考える方は、補佐官つけて今度また会議つくりますでしょ。そのへんのところの連携をどういうふうにするかっていうのはね、これはね、きちんと本当は考えなきゃいけない」

野中

「私はもう防衛省にするなどというのは、今選択すべきことでないというように思ってますからね。どうして教育基本法がすんだら防衛省に昇格だと…。昇格って、まあ予算の請求権があるとか、こんなことだけでですね、やっぱり、総理のシビリアンコントロールのもとにあることがいいことなんで。これをなぜ、一気呵成にやろうとするのか。

自分が小渕政権で官房長官やってる時に、国旗国家法案を触発的にやったんですよ。やったけれどもね、そのあと自分振り返ってみたら、その勢いのまま、住民基本台帳とか、周辺事態法とか、もう怖い怖いのがどんどんどんどん出来たのを、自分で非常に反省してます」

― タウンミーティングの「やらせ」は…
野中

「タウンミーティングというものの背景がこんなことだったんかということを、議論もしないでやってしまうっていうのは、与野党の問題じゃない、国会議員として恥ずかしいことじゃないかなあと。辞めた人間が言うのもおかしいけれども」

御厨

「むかしはよくやりましたけどね、やらせみたいでね。今はやらないですよ、普通は。だからこれを堂々とやっていたっていうのはね、しかもこういう教育の問題でね、なんか変ですよね」




 
   
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