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 第一二七回 ('06年11月19日放送)
  「安倍政権発足2カ月、国会は…」

  ゲスト: 渡部恒三 氏 / 堺屋太一 氏

学校はどうなっているのでしょうか。みなさんのお子さん、お孫さんの世代の子供たちが次々と自ら命を断っています。

この緊急事態の中で国会で取り上げられているのは、教育基本法の改正案。愛国心をめぐって大騒ぎとなっています。しかし今もっとも対策を急がなくてはならないこととは視点がずれているのではないでしょうか。



― 教育基本法の改正は…
渡部

「ぼくはね、安倍君はね、中国に行ったとき、これは相当の総理になるかなって思ったらね、その後のことは全然ダメでね、特に、この教育基本法を、臨時国会の最重要法案だって言いつづけた感覚がね…。

今、教育は国民にとって一番大事な問題ですよ。だからもう憲法ぐらいの気持ちで、国会で一年かかっても二年かかっても論議することに、教育に関して、いじめの問題色々と意味があるんでね。これ、歳入歳出に関わる法律なら政府の立場から言えば、すぐ通せってことですが、これ全然歳入歳出に関係ないんだからね、この臨時国会でね、何がなんでも通せなんてことは全然かかわりないです」

堺屋

「私はね、教育ってのはね、日本の未来をつくるわけです。日本の未来の形がわかってない。で、今までの基本法で描かれてた未来ってのは、規格大量生産の近代工業化。それがダメになった。だから次の絵はどうなのか。次の日本の絵はどうなのか。その為にどんな人材をつくるのかっていうんで、教育の問題があって、それで基本法を書かなきゃいけない。

ところが、その全然未来を書かないで基本法だけでてきたんですね。で、この基本法のね、一番ポイントはね、国が教育の基本計画を作成し実施するっちゅう、十七条にあるんですよ。要するに官僚統制を強めようっていうとこなんです。その他の問題はね、全部目くらまし。愛国心も何も全部目くらまし。そのね、官僚統制を強める教育ちゅうとこだけがポイントなんです」

― いじめ自殺は…
堺屋

「いじめで自殺すんのはね、学校だけなんですね。特に中学校なんですね。これなぜかっちゅうとね、転校を許さないからなんですね。だから学校選択の自由。これはほとんどの先進国であるですよ。日本だけは、官僚がここに住んでたらここの学校と、強制入学制度なんです。これ昭和16年の国民学校令で出来た制度なんです。それがずうっと引き継がれて、一部品川みたいにとかなんかに違いがありますけどね。

この強制入学制度を辞める。その為にはね、学校設立の自由を認める。学校選択の自由を認める。教員の自由を認める、採用の自由を認める。この教育自由化の3自由が絶対必要なんです。それはね、全然逆に、遠くに行ってるんですね、今」

― 「安倍政権」の支持率が下がっているが…
渡部

「これね、発足して1ヶ月ぐらいはね、お父さんの人柄と、それから本人の年齢が若いということね、それで若干の人気があったんですがね、そしてあの、まず北京、あの韓国、ここまではよかったよ。ぼくもあの北京に行ったことはね、戦後の総理大臣でアメリカの前に中国に行ったのは、田中さんの次ですから。ところがその後から、もう全然言うことがむちゃくちゃに…」

堺屋

「昔、近衛内閣っていうのありましたよね。あの時の批評を見ると、近衛さんがなった時に近衛さんのいいところは全国民が知ってた。名門で、身長が高くて、若くて、そしてかなりのブレーンをもつ。欠点は誰も知らなかった。やってるうちに欠点の方がだんだん見えてきて、支持率は当時調べてませんけども、結局投げ出すようになったと。

安倍さんもね、いいとこみんな知ってるわけですよ、彼の利点は。欠点はまだわかんないですね。だからこれから、安倍さんの別の長所を上手くだしてくれば、これはいいと思います。だけど、今までの長所ってのは、ちょっとですぎのとこありますから。今度、その欠陥をどうやって直すんだと、実はこう言う利点があったんだということをね、出してくりゃいいと思うんですがね」

渡部

「今ね、国民のみなさんはね、小泉内閣をなつかしく思ってると思いますよ。おそらくね、あと半年ぐらいの間にね、小泉再登板説が自民党の中から、ぼくは、今の安倍君じゃ、来年の参議院の選挙勝てないってことになりますから。自民党の中から、小泉再登板が出てくる、間違いなく」

― タウンミーティングのやらせ質問は…
堺屋

「あの、タウンミーティングに出席してた大臣の能力を役人が信頼してないようにみえる。大臣がどんな答えでも、上手だろうが下手だろうが、とにかく責任もって答えられると思ってりゃ、そういうことしなくていいはずなんですね」




 
   
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