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 第一二一回 ('06年10月8日放送)
  「スタート『安倍新政権』を点検」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

安倍総理はスタートから早くも正念場です。5年半に及ぶ小泉政権の間にすっかりケンカ状態なってしまった日中関係。その小泉路線を引き継いだ安倍政権にとっては、この日中問題がまさにアキレス腱です。その中国に向けて安倍総理は政府専用機で羽田空港から飛び立ちます。訪中直前、野中さんと藤井さんにお話しをうかがった。



― 田中真紀子氏の安倍総理に対する質問は?

(永田町で見ていると、小さな子供が玄関先で、そこにパパの靴があったのでそれをちょっと悪戯で履いて道路に出てきてみたとの印象。その子が右の方、右の方へ行きそうなのでちょっと危なっかしいかなとの印象を持っている人もいる)
野中

「こういうことをね、田中角栄総理のお嬢さんが、例え野党であろうと、やっぱり口にすべきでないですよ。わたくしは国会の場というのをね、あまりにもね、自分で自分の言葉に酔っちゃって、こういう言葉を使ったと思うんですが、国会議員として、かつて在籍したもんとしては恥ずかしいし、田中総理の足跡を見てもですね、お嬢さんの言葉っていうのはこれは国会議員として適切でないと、思いますよ」

― 安倍総理の「歴史認識」に対する発言が過去とは変わっているが?
野中

「変わってくれなきゃならんですよ。変わってくれることが国家のトップとしてですね、国の運命を左右にするんですから。だから安倍さんのこの間からの国会答弁、予算委員会の答弁は非常にやっぱり慎重にしかも国家のトップとして責任感をもってやっておられると、わたくしは思いますね」

― 「靖国参拝」について「行ったか行かなかったかを言うつもりはない」と言っているが?
野中

「やっぱり、自分が官房長官としてつかえた小泉さんが一貫していってきた態度。これを背に受けながら今、中国を最初に訪問する。次、韓国を訪問する。そういう一国の総理になった安倍さんとしては、こういう発言以外にわたくしは中々発言に苦しむんじゃないかと…。まぁ、よく考えられた発言だと思いますよ。心中が痛いほど分かりますね」

藤井

「菅さんがね、あの先週でしたか、やられましたけどね、晩飯何食ったかどうかをね、言う必要はないんだよと…。しかし、少なくとも政治的イシューとして、これだけ重要な問題についてね、今のようなあなたのお話はいただけないなということ言われましたけど、わたくしはその通りのような気がいたしますね。

むしろね、わたくしは靖国に参る参らないってのは、これ政治的イシューなんですね、大事なことは、いつもここで申し上げてるようにね、そのベースにある歴史認識ともう一つは政教分離に対する考え方は、少なくとももう少しはっきりしていただかないとイカンと思いますね」

― 安倍総理の訪中、訪韓は?
野中

「スポーツ紙でね、ずっとコラムを書いてるんですが、小泉内閣が終わる直前に安倍さんに、もし総理になられたら、最初に中国に行き、韓国に行き、それからアメリカに行ってほしい。この順序を早くしてほしいということを書いたんですが、戴秉国さんという非常に円満なしかも抜群の人が、また谷内事務次官も、いわばアメリカスクールのようなとられかたをしますけれども、チャイナスクールについても、人事でも上手くやってきた信頼される事務次官ですね。この二人が、話をされた話は非常にやっぱり意味があると…。そしてよくここまでやってくれたなぁと思ってよろこんでおります。

ぜひこの強行な日程ですけれども、この日程がやっぱり実り多いものとしてこれからの日中はもちろん北東アジア、さらには北朝鮮の拉致問題を含むあらゆる問題に明るい兆しが出てくるように、成功してほしいと願っております」

― 中国側の態度が軟化した?
野中

「まあそうでしょうね。ええ。もう来年が35周年ですし、それから、北京オリンピックが再来年にあるわけですし、2年後には万博があるんですね。だからこの中国のスケジュールを考えると、日本とやっぱり友好関係を結んでおくことは単に日本の為だけでなく中国のためにも、あるいはアジア全体の為にもね、私はいいことだと思いますので、小さいことにこだわらずにね、乗り切ってほしいと思いますよ」

― 高齢者の負担増は?
藤井

「要するにね、高齢者狙い撃ちなんですね、どうしても。それはね、やはり日本の社会をここまでつくって下さった方であるわけですね。そういう方に対してね、あまりに冷酷じゃないかという印象を、今日まで日本をこれまでもってこられた方の中に相当気持ちが強いんじゃないでしょうか」

野中

「それは戦後社会をここまでもってきた、そういう人達ばっかりなんですからね、こういう人がね、標的にされるっていうのは、これは政治の台頭をね、誤った行為です。銭勘定だけでやる行為ですね」

― 小泉内閣で決まった事だが、安倍総理にも考えてもらいたい?
藤井

「私もさっき申し上げたようにね、医療と年金。これはね、少し引き継ぐんじゃなくてね、考えなおしてもらいたいんですよね。再チャレンジということであれば」

野中

「そう。私なんか酷いもんですよ。おとつい年金の通知きたんですよ。来るんならね、国会の責任者からね、国会の議員の年金をこのように変わりましたという沿い書きをついてくるべきだと思う。私んとこに来たのはね、総務省の人事恩給局というところからですよ。あんたは440万もろっとったけども、所得はあるから350万引いてあなたに支給するのは今年から101万だと書いてある。で、ここ(藤井さん)に聞いたら、ここは所得が多いからゼロだと(笑)」




 
   
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