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 第一一六回 ('06年9月3日放送)
  『安倍政権』の行方

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 渡部恒三 氏

自民党総裁選が告示されました。しかし、始まる前から勝負は見えているわけで、今や関心は幹事長や大臣といったポストの行方に集まっているという始末です。

そんな中「論功行賞」目当ての安倍支持グループの相次ぐ旗上げの様子をみていると、かつての「角福戦争」とは様変わりです。小泉総理大臣が「ぶっ壊す」と言った自民党、一体良くなったのか悪くなったのか。「角福戦争」それぞれの陣営で戦った、渡部さんと塩川さんに語って頂きました。



― 加藤紘一議員の実家放火事件は?
塩川

「言論とか発言、表現とかね、そいうい自由っていうのは非常に大事だと、非常に不愉快な問題になるっていうことは私は経験してますからね。今はよく人が言うんですが、まあ言論の自由だとか表現の自由だとか、何だか上っ面な話でね、お前らそんなん知ってるのかと言いたい」

― なぜ、派閥が衰退したのか?
渡部

「派閥が、まず選挙、お金、ポスト、これを与えてくれたんですよ。私なんかも中選挙区の時代、選挙随分やりましたけれども、社会党や民社党と戦ってるなんて意識ありませんでした。同じ自民党の大平派であるとか福田派であるとか派閥の候補者と争っておりましたから…。そういう意味では小選挙区になって、選挙のための派閥ってのは必要なくなりましたね。

それから今度は政党交付金。これでお金も派閥の影響っての無くなりましたね。最後に残っとったのが、ポスト。わたしも大臣、通産大臣、自治大臣、厚生大臣、色々やりましたが、中曽根内閣で厚生大臣になった時に、中曽根さん、まあ今聞いてたら申し訳ないけど、中曽根さんに大臣にしてもらったなっていう意識ないんですね。田中さんに大臣にしてもらった。その後、例えば宮澤内閣に通産大臣になったときも、今でも宮澤さんに大臣にされたなんて意識全く無い。あれ金丸さんと竹下さんに推薦されてなったんで。

小泉さんを評価すれば、彼が総理になって全く派閥の意向を無視して組閣やったということで、もう派閥は存在しなくなっちゃってるんですよ。いらなくなっちゃった」

― 小泉総理のやり方は?
渡部

「国会議員というのは国のために働くのが当然だけど、推された選挙区の地域の発展のためにも、働いてきたわけですね。そういう点がなくなっちゃったんですもんですから、地方の人達の声が政治に全く反映されなくなってしまいました。これが去年の9月の選挙、その地域になんの関係も無い人がパカーといって、当選するっていうようなことで、なんか政治に故郷を思う心がなくなってしまった。それを私は非常に心配しています」

― 小選挙区は見直すべきか?
塩川

「日本でですね、こういう民主制度ってやってまだ60年でしょ、ほんとの。戦前のやつは、あれは官製ですわな。ですから他の欧米諸国と比べたらですね、ものすごい歴史浅いんだから、一つの経過措置としてね、体験しとくのがいいと。これは、わたくしは貴重な国民のですよ、政治経験、政治教育だと、わたくしは思うんです。だからこれからどう変わるか分かりませんよ」

― お二人ともいわゆる角福戦争を果敢に戦われたわけですけれども?
塩川

「しかしね、省みたらあの自分が一番ね、精力もあふれておったしね」

渡部

「政治に活力があった」

塩川

「一番ね、働き甲斐あった」

岩見

「お二人とも年齢的にもその頃がね」

塩川

「政治が面白かったですよ。今、政治が面白くない」

渡部

「国会議員であることに誇りを持ち、生きがいを持ち。もう毎日が充実しておった。今の方は何か普通のサラリーマンだなあ。自民党で総裁選挙やってるけれども、あの角福戦争の当時考えると幼稚園の運動会みたいなあ」

― 党をあげて「安倍応援合戦」をやっている感じだが?
塩川

「やはりね、小泉のことが教訓になってるような感じですね。要するに、今の見たら、強いものに逆ろうたらソンやと、という気持ちがですね、なんとなくあるんじゃないかなっていう思いますね。ですから、政策もなんにも安倍さんは言ってないのに、それに賛成だ賛成だとか言ってる」

渡部

「安倍、安倍と草木もなびく、これもう安倍さんになるに決まってるんですね。決まってからみんな、安倍だ安倍だってのはね、国会議員としての見識を疑うなあ」

― 安倍氏はどんな人事をやるのか?
塩川

「色んなこと人事ありますけれど、まあ言うてえらい、隣におられるから言うの悪いけどね、今一番ね、自民党としての総裁、自民党総裁としてのですよ、まあ安倍さんから言うならば、国対委員長に誰を選ぶか。これ一番大事です。こんなん相手にするんですからね。これに相手をするっていうのは国対委員長ってのはよっぽどね、ちゃんとしたの選ばないとね、過半数取れなくなっちゃう」




 
   
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