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 第一〇八回 ('06年7月2日放送)
  「小泉改革の光と影」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 渡辺恒雄 氏

小泉総理大臣はアメリカでブッシュ大統領とご機嫌で会談を終え、「小泉劇場」もまもなく閉幕しようとしています。しかし次の総理を窺う人たちがどんな政治をしようとしているのか、またどんな政治をするべきなのか、なおもハッキリとしてきません。「小泉劇場」の後はどうなるのか。そしてどうするべきなのか、中曽根さんと、政治記者として様々な局面をご覧になってきた渡辺さんにズバリうかがいました。



― 不振の原ジャイアンツは?
渡辺

「最大の理由はね、けが人ですよ。だってね、一番から八番までの間にね、二岡とイ・スンヨプしかいないんですから。あと全部いなくなっちゃったんですから。それからピッチャーも故障が多いでしょ。これだけ故障が出て、野手が二人だけでね、まともに打てるのは…。そういう試合やったことないですよ。だから原くんが悪いんじゃないね。ただやはりね、もう一つの問題は東京ドームの芝ですよ。人工芝ね。あれがちょっと古くなってきましてね、硬くなってきて、芝の間に砂を埋めてるんですよ、その砂がコチコチになってる。それから、ほかのイベントに使うもんだから、200日近くね、その曲がっちゃってるというか、芝がね、折れちゃってるんですよ、折れたっていうか寝ちゃってるんですよ」

― 日米首脳会談は?
中曽根

「小泉さんをプレスリーにお連れしてね、社交外交としてはかなりうまくいってると思います。これは辞める最後ですから、片一方の方も何か締めくくりをハッキリさせておこうと…。今までは、日本における日米関係からアジアにおける日米関係。今度は、イラクやインド洋まで自衛隊を出したもんだから、世界における日米関係。アメリカはそういうふうにもっていって、それで日米の小泉さんとブッシュの関係を締めくくりをしたと」

渡辺

小泉さんはどうやら知らんけど、プレスリーのところまで行くのかもしらんが、アジア外交っていうのはほったらかしっていうか、最悪の状態においこんでおいてね、ブッシュとだけ握手してりゃあ大丈夫というのは間違いだと思うんだな。もちろんブッシュは絶対大事で、日米同盟があるから北朝鮮もテポドンをまさか日本に落っことさないと思うけども、ある程度自重するでしょう。しなければ、日本にもイージス艦あるけれども、やっぱりアメリカの軍事力をもってすればね、相当強い抑止力なりますよ。それがなかったらもう、テポドンでみんな日本人震え上がってたんじゃないですか。そういう意味じゃあ大変評価しますけどね。ただアジア、東アジア外交が悪すぎる」

― 日銀・福井総裁は?
渡辺

「あの忙しい人がね、こんなこと気配りしている暇があるなら、ゼロ金利いつ解除するかとか、そういうことを早くね、道筋をつけておくべきだったなあ。今となってはねえ、国民感情がね、自分の貯金金利はこうだっていうのに、どうして金融政策の大元締めであり、かつては法王といわれた日銀総裁がこんなちまちましたことでね、金儲けやってたのかっていうことについて、まああんまり感情的になっちゃいかんと確かに思うけれども、しかし感情的になるでしょう、一般大衆は」

― オリックスの宮内会長は?
渡辺

「宮内さんの場合は何百億という、何千億という単位でね、その規制緩和によって儲かる事業をやってて、そうとう無理な規制緩和やった。まあ、彼はレンタルカーの大きな会社もってますけどね、その自動車、タクシーの規制緩和のためにもう運転手の収入がね、30万から40万あったのがね、あの月収ですね、20万ぎりぎりでしょ。それで労働時間が非常に長くなって、その為に大阪なんかには交通事故が多発してると。地方でも仙台だけで800台増やしたんですから、タクシーを。ああいう野放しの規制緩和やって、それで本人がレンタルカーの大手ですから、それはリースして儲かるかもしらんけどね、そういうことをちゃんと説明してくれなきゃ困る。で、野球の時にはオーナー会議に熱心にきてぼくといつも激論してましたけどね、正反対の立場で。しかしこの問題が起きてから一切記者会見はしない、どこにいるかわからない。やっとでてきてしゃべったのがこれだけでしょ。もうちょっと色々説明責任があると思うな」

― 宮内氏も小泉人脈のひとりですね?
渡辺

「だから、小泉さんも、市場原理主義、競争至上主義、それで金融政策を指針とする日本の経済を改革するんだといったけど、相当無理なこともやってまして、その為に格差社会とか色んな不公平とか、まあ貧乏な人が増えたり、生活保護費がもう倍になりましたからね、あっというまに一兆だったのが二兆になりましたよ。そういう負の遺産をそうとう残していくなと…。確かに日米同盟その他いいこともやったけども、結果論として彼はあまり経済についてはわかってなかったから、丸投げしましたね。竹中さん、宮内さんとに。その結果が村上事件であり、ホリエモン問題ですよ、と思うな」

― 次の総理は?
中曽根

「一番大事な時代がのしかかってきたと、そのときに総理大臣になろうという者を9月に選ぼうって言うんですから、性根のしっかりしたぶれない人間を総理大臣にしないと日本は転落しますね。それを一番心配している」

― 世論調査で安倍氏の人気が高いが?
渡辺

「そうですね、安倍さんはね官房長官ですから、毎日テレビ出てますね、非常に有利ですね。福田さんの方は、彼の性格もあって、あらゆる会議を会合をドタキャンしたり、逆に空気悪くしてますね。それがああいう数字出てきたと思うんですよ。ただ福田さんもお盆過ぎには立候補宣言すると思いますね。安倍さんも正式な立候補宣言はお盆過ぎだといってるんですね。つまり、8月15日にね、小泉さんが靖国神社に行くか、行かないか、その反響まで見た上で…。はじめ喋っちゃうと、後で訂正聞きませんからね。お互いに8月15日を待っているんじゃないかと思いますよ。8月15日を待たないと何も言えないというのは、政治家として中曽根さんがおっしゃるように性根が据わるか、座ってないかという基準になるかならないか、ようわかりませんが」

― 小泉総理の靖国参拝は?
中曽根

「私は前から参るといっているんですね。有終の美をなして。やっぱり出るときの総裁の公約として8月15日と、明示していますから、やっぱり最後の有終の美も8月15日っていうのをやって締めくくりをやるんじゃないかと。あの人の性格からみるとね、どうもそんな感じがしますがね」




 
   
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