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 第一〇六回 ('06年6月18放送)
  「『小泉・竹中路線』の功罪は?」

  ゲスト: 加藤紘一 氏 / 奥田碩 氏

1月に始まった通常国会も、今日で閉幕となります。そしていよいよ焦点は、「ポスト小泉」へと移るというわけですが、これまで小泉政治がやってきたこととは一体なんだったのか。次に総理大臣になる人は、どこを引き継いで、どこを転換するべきなんでしょうか。今回は、政局の大きな節目ということで、普段あまりテレビには出演なさらないビックゲストをお招きいたしました。



― カラオケ談義
岩見

「お二人はかなり古くからのお付き合いだそうで、何かカラオケ仲間だそうですね?」

加藤

「仲間です。それで奥田さんはねえ、歌う曲はものすごく多くて普通の曲はもう飽きちゃってB面と称される歌をね、の中でいいのを探して歌う人なんです」

岩見

「B面というと、演歌?」

加藤

「あの、A面というのは、こう一番流行った売り出そうとする歌でしょ?するとその裏に、まあついでにプリントしておくB面というのがあって、これは普通あんまりヒットするのないわけですよね、ところが、そん中のいいのを探すという」

奥田

「結構いいのあるんですよ」

― 日銀・福井総裁は?
奥田

「立場上のことを考えるとね、やはり解約のタイミングとかね、それはもうすでに総裁になられているわけですからね、若干まずかったのかなと思いますけど。富士通総研にみえた時はね、これは、まあ私人といいますかね…。それともう一つ、村上ファンドは同友会なんですよね、それからホリエモンはライブドアが経団連なんですよ。経団連と同友会がおかしなことになっちゃてね。だから、それを色んな評論家の方に、経団連も同友会も何か変なものを会員にしちゃってね、『どうしておるんだ』ちゅうようなことを色々言われるんですけどね」

加藤

「あの解約申し出、もうちょっと早くあって、それできっちり解約してりゃあいい、そういう恨みはありますんで、福井さんにしては軽率なとこがあったなっていう感じはしますけども…。ただ私は日本の金融政策から見たら今福井さんがトラブルあったらいけないなと思いますね。これまでも実に見事に判断して、政治からの圧力があっても、それをピッシリ整理して、そしていよいよ日本の金融界に金利というものが意味あるようなところにもうじき持ち込もうとなさってる。そして、ある意味では、家計部門にも金利がつくような一般庶民の貯金にも利子がつくような方向に必死にもっていって下さってますからね。言うなれば、オーストラリア戦で84分もで見事にやったゴールキーパーの川口みたいなものでしたからね、パーフェクトでしたからね。ここで最後の6分みたいなことにならんように、しっかり福井さんを守って、仕事してもらわきゃいかんなと、ぼくは思います」

― 村上ファンド事件は?
奥田

「これは、村上さんがいみじくも言った、『お金もうけが悪いんですか』と。それも、何かあまりに沢山儲けすぎたからね、余計悪いんですかと、そういうこと言われましてね、私も普段から良くいってますけどね、日本人ちゅうのは何か、嫉妬が、嫉妬心が非常に強くてですね、わたしがいつも言ってるのは、その『嫉妬の経済』というのが出来てきたらダメだよと、むしろその『賞賛の経済』であってですね、やっぱりお金儲けたらお金儲けた人に対してですね、ある成功した人に対してやっぱり賞賛を与えると」

― 少子高齢化は?
奥田

「そうですね、やっぱり少子化と高齢化は別の問題ですからね。だからそれは分けて考えた方がいいですね。しかし、今、一生懸命に日本、少子化対策をうってるわけですけれども、私が一番心配しているのは、一体、日本のあるべき人口の数、それがぜんぜん出ていないんですね。だから、合計特殊出生率とか下がっているから、それを上げるとかですね。そういうような数字が出てくるんだけれども、結果的には、最後は日本の国民というのは、何億で日本の国って言うのはこれから成り立っていくのかっていう、そういう相対的な人口の目標といいますかね、それがないっていうのは、日本にとってはひじょうに私は不安でもってますしね、厚生労働省なんかいくらって考えているのかなと」

加藤

「今の数字は年金からいっても、いろんな意味からいっても低すぎるし、それから、何人いればいいかっていうと、たぶん一億人前後だと思うんだけれども、そこの中の構成がね、問題だと思うんですよ。若い人が結構多い一億人ならいいんだけれども、高齢者ばっかりの一億人なら困ると。ただそこでいろいろ考えると、60歳以上が老人とか、65歳以上が年金とか言っているんだけれども、やはり前期高齢者と後期高齢者、この概念をびしっと入れて、前期高齢者とは72くらいまでだと思うんですが、元気ですからね。なんかいろいろ給料安くなるけど、働いてもらうという仕組みづくりを・・・」

― アジア外交は?
加藤

「やはり小泉さんの五年で、アジアの国々、特に近隣の中国、韓国とちょっと摩擦が起きすぎたかな、と感じがしますね。そこの是正をやっていただくのが、一番だと思います。それと、靖国の問題が一番引っかかっているんですが、この間経済同友会がある提言を出して、そしたら、商売の話と外交は違うと言ったのは、あの表現は私なら使わないなと。やっぱり貿易、それからお互いにジョイントベンチャーをやる、金融でやり取りする。これは重要な社会での活動で、これまでの外交とか戦争って言うのは、ある意味じゃ経済で起きているわけですからね。だからちょっと政治が、経済、商売の一番上にいるという感じちょっとはどうでしょう」

奥田

「(中国・胡錦涛氏は)経済人に対しては靖国という話よりも、中国は日本の技術、特に環境技術とかですね、それから水の技術とかですね、そういうものがこれからは必要となってくるんでね。そのために日中関係っていうのはうまくやっていきたいと、これは外交的にも経済的にもやっていきたいと。ま、そういうことを言われるだけでね。私らもそういう話の中から聞こえてくるのはですね、やっぱり日本と中国とが仲良くやってですね、で特に環境の問題なんかはですね、大変な問題になっているわけですから。そういうものを日本の技術が助けられるようにですね。これは非常にいい話ではないかと、そういう風に我々は思っているんですがね」

― 「安倍VS福田」は
加藤

「ここまで安福というのが、焦点当たっちゃいますとね、どういう政策をお二人が持っていて、どこが違うかと、当然そこの議論になりますので、やはり誰が総理になるかというよりも、どういう政策をこの国がとり得るのかと。その議論するためにもはっきり意思表示されたほうがいいような気がしますね」

奥田

「私どもは経済人ですから、あまり政治のこと言いたくないし、知識もあまりないですからね。やっぱりこういうのは、新聞ばかり読んでいますとね、新聞の論調にひっぱりこまれてしまれちゃってですね、我々経済人として軽率な判断をするケースがありますのでね。やっぱりこういうのは、加藤さんみたいなですね、中におられてですね、で事情をよく知っておられる方からお話を聞くとかですね。それが一番いいじゃないかと思いますけどね」




 
   
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