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 第一〇四回 ('06年6月4日放送)
  「社会保険庁の裏の裏 〜そこから見えること」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

あのグリーンピアの無駄遣い問題もさめやらぬ中、社会保険庁は今度は年金の支払い免除を勝手に増やしていたというんです。年金を払う人が少なくなって大変だから、払う人を増やすように頑張っているのかと思いきや、「免除」を増やして、払っている人の比率が良くなるように見せていたという今回のごまかし。これでは年金の収入は変わらず、何も改善されないままです。

本末転倒のこの事態の裏には何があるのでしょうか。そして、会期末が間近に迫り、白熱する一方の総裁選はどうなるのでしょうか。政局の鬼の異名を持つ野中さんと政界のご意見番の藤井さんに鋭く読み解いて頂きました。



― 社会保険庁のノルマ主義は?
野中

「今までの経過を無視して、安易に『官』にシステムの矛盾を突かずに押し付けたら、こういう結果出てきます。当然のことです」

藤井

「公に尽くすことを、自分の使命だと考えている人なら誰でもいいんですよ。じゃあ、民間の人はみんなそうかというとね、必ずしもそうじゃないんですよ。お役人もダメですよ。お役人もね、そういう意識がなくなってるから、あんな組織防衛に走ってるわけですよ。しかし、民間の人がみんな使命感を持っているかどうか。使命感じゃなくて、合理主義でしょ。合理主義と使命感は違うんです。公のために尽くすということは、少し違うんですね。だからそういう人だったら私は、プラス合理主義の人なら、どんどん変えたらいいと思いますよ。そこのところが欠落したらいけないと思います」

― 国会の延長なしは?
野中

「これから審議をすればするほど、ボロがでてくる。また、村上ファンドの問題やら出てくると…。捜査が入ったら、やっぱり役所で税金で育った男(村上氏)ですからね、仲間がおるはずですよ。そういうことが出てくると、かなわんからですね。国会閉めちゃって、がちゃがちゃ言われないで、自分(小泉総理)は多分したい(訪米、サミット)ということじゃないかなと…。

国民にとっては不幸なことで大きな問題を先送りされて、国会の機能をだしてないと。誰もそういうことをキチンと言おうとしないっていうのはね…。総理の言葉で、会期延長しないと言うとそれで決まるといのは…。両院議長ふくめて話をして、両幹事長が話をして、会期と延長というのは決まるもんです。それが、総理が会期延長しないって言ったらね、決まっちゃうっていうのは不幸な事態がやってきたなと」


藤井

「こんなに問題残っているのにね、なんで閉めちゃうんだと。なんか変な思惑があるんじゃないかと。例えば、年金で言えば、もう平成16年で直した年金はね、めちゃくちゃな直し方でしょ?だから本当は平成17年の総選挙で、あれをやるべきだって、話をずらしちゃったでしょ?あれではね、マクロ経済スライドとか、なんとか言ってますけどね、要するにね、今度1.25になりましたね、合計特殊出生率が…。あれやればね、またどんどんね、あげるぞって保険料をね。ということを決めているわけですよ。不安定なんですよね。

そもそもね、一人いくらっていうね、国民年金は無理があるんですよ。初め300円で始まったでしょ?それはいいんですよ。それは、自治会の入会金ですからいいですよ。だけど、一万何千円っていってね。あのサッチャーが、なんで名宰相といわれた人がね、あの失脚しなきゃならなかったか。人頭税やったからですよ。一人いくらっていう税金はね、自治会の会費までが限度なんですよ。一万何千円ってことは、20万円近いものになるわけですね。そんなもんが成り立つはずないんですよ。それをあえてフォローして16年ではやっちゃった。17年でそれが本質じゃないかっていうのに、なんだか話ずらしちゃった。ここにだからね、ポイントがあるんですよ。それみんな逃げちゃった」

― 総裁選レースで安倍氏の動きが早いが?
野中

「伝統ある清和会でね、今日まで多くの立派な総理を出してきたところですから、いろんな動きはあるでしょうけれども、やっぱり私は、森さんを中心とする清和会で、どのように収斂して、そして次期首班を握る出来レースだとおもっているんですよ、私は」

― 総裁選の展望は?
野中

「来年の参議院選挙という非常に厳しい、あの選挙を超えなくちゃなりませんから。その過半数を取れるという保障は、自公合わせてもなかなか見通せない状況の中ですね。そういう時期に、小沢さんは研ぎ澄ましてですね。今刀研いでいると、思うのですが、ひとつの政局にしようとしていると思いますね。そういうものを頭に入れながら、やっぱり小泉さんも、あるいは森さんもある程度いろんな局面を考えてる。けれども、マスコミが作ったポスト小泉ってのをそのままね、どんどんどんどん規定化して、それでその中で人気投票みたいなことやっている。

これはね、おかしいと思うし、これはもう私、マスコミ界も反省してくれなきゃね。自民党にはね、まだまだ立派な人おりますからね。そういう中で次期の首班をどうやるか、あるいは、参議院選挙をどうね、乗り切っていくかということを考えていかなくては…」


藤井

「4人なんかに限定しているのはおかしいと思っていますよ。まだいっぱいいらっしゃると思いますよ。その中で、日中は改善していかなきゃいけないんです。要するに、そういう転換をするには、肌合いが違う人じゃないとだめなんですよ。吉田さんから鳩山さん、それで日ソができた、佐藤さんから田中さん、それで日中ができた。だから日中のこと悪い状態を直すにはね、肌合いが違わなきゃいけないという意味で、あの4人の中ならこの方でしょうということは、申し上げたつもりですね。だから立たれるかどうかっていうのは、それは僕にも分かりませんよね」




 
   
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