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 第九十五回 ('06年3月26日放送)
  「スタート『ポスト小泉』」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 渡部恒三 氏

新年度予算が明日成立します。予算が成立すれば、ポスト小泉の動きが本格化します。小泉総理も「予算成立後一挙に党内の空気が動く」と周辺に語っていた事がここに来て明らかになっています。今回は政局の鬼の異名を持つ野中さんと、「時事放談」レギュラーで、ここにきて国会対策委員長に就任し、一気に民主党の支柱的存在になりつつある渡部さんに、政局の動きを語って頂きました。



― 民主党の国対委員長に就任して3週間…
渡部

「ありがたいことにね、本当に若い諸君から、年配の諸君。心を一つにして。まあ、ひとりか二人は、面白くないのもいるかもしれませんが。まあ挙党一致。とにかく、この危機を乗り越えて、国会で国民の皆さんの、野党第一党としての期待を果たさなくちゃならない。まあ、一生懸命勉強してね、是非見ていただきたいと思うのは、参議院の予算委員会なんかでもいい質問しているんですよ。とにかく行政改革、教育問題。それから衆議院で立派な質問。

私はだからね、永田。これ、みた事…。名前も知らなかった。あんなそしてね、今、野中さんから話あったけれども、私にしても羽田孜にしても小沢にしてもね。相談あれば、何にも調べなくたって…。あのメールやあんなことでね。あんなことやる筈ないですから。こりゃ嘘だって、すぐに、1秒間でわかるのをね。全然相談を受けなかった。あの頃はなんかちょっと、若いものだけで、というようなちょっと驕りがあった。あれがこんなことになってねえ」

野中

「今はね、もう渡部さんの発言無しにね、民主党は動かないという形になっていてですね。一番困ったなあ、と思ったのは、あの発言をした若い議員に、『辞職しろ、侍なら』というのは、言葉としていいけれども、背景は一体なんだったんだ、という。この国益に関する最大の問題をね、見極めようとしないでね、議員がバンと辞めたらいいんだというだけでは、私は済まないと思う。

特に、今度ほど大きな問題。国民の不安を、野球とかいろんな問題が重なって良い方向にいきよるから、国民が目先が霞んできているけれども、しかし、これ重大な問題をね、もうね、パアにしちゃった。ようやく司直の手が入って、これから司直によって解明されていくことを期待してますけれども。しかし、政治がこの一点変わってしまったのは…民主党は自分からこけていったんですから」

― 永田議員は…
渡部

「国民が聞きたいということの国会できなかった。それから、また民主党。せっかく二大政党あと一息って時にどんなに迷惑を掛けたか。だから、彼が両院議員総会、私が初めて出るようになって、両院議員総会で『私は民主党を愛しています』と言った。愛していますというからには態度が必要なんで、当然のこと、もう議員を辞職させていただく、と言うのかと思ったら、何にも言わないで、くどくどくどくど、理屈を言って。まあ東大出た役人っていうのがあるのかなあ。まあ理屈は間違っていないんですよ。でも心がない。心がっ」

― 渡部さんが直接呼んで、諭すというようなことは…
渡部

「いや、残念ながらできないんです」

岩見

「どうしてですか?」

渡部

「来ないんですもん」

岩見

「来ない…」

野中

「私はね、やっぱりね、本人は、議員のままで置いといて、こんな大きな問題が、何故起きたかというね、真相究明をしてから本人の身分処理をしなければね。単にね、辞めさせてこれで…、というのは議会政治の汚点ですよ」

― 以前、お二人がお出になった時、次の総理は福田さんがいいという事を仰ったが…
渡部

「あ、この中(麻垣康三)で選ぶとしたら文句なしですね。安定感もあるし、謙虚さも持っているし、何ていったってアジア外交、中国外交。それから決してあの、ただ、小泉さんにゴマをするというんじゃないしね」

野中

「まあどうなんですかね。だからその4人に限って、ポスト小泉の候補4人だと言ったね今日までの流れに問題があるんであって」

岩見

「しかし、福田さんと言うのは非常に有力候補とみられて…」

野中

「福田さんという人はね、俺が俺がという人じゃありませんよ。だけどみんなが、冷静に考えて、この日本が、これからどんな国家戦略を進めていくのかと言うことを考えた時にですね、中国・韓国は、安倍さんは期待される政治家であるけれども、今すぐ中国・韓国に対してとってきたこの発言姿勢が、すぐ修復できるものではないいうね、懸念がみんなにあると思うんです」

― 「格差問題」で話題の足立区に行った…
渡部

「いやああの、それから北区。隣。これもひどかったですねえ。だから、今、小泉君のアメリカ市場中心主義で景気良くなったって言っていますけれども、大変な間違いです。地方的にもいいところは東京と、名古屋ってことで。その東京でこうなんですから。ましてね、地方、まあ私は特に会津、山の中ですが、北海道から九州、全国歩いてね『いいな』と言っているところないですよ。もうこのままでいくとね、もう故郷もなくなる。山に緑もなくなる。水もこの国からなくなっちゃいますよ。だから、真剣に考えていかなくちゃならない」

野中

「色んなところに格差が起きてきてですね。まあ、強者と弱者、これが一番の大きな問題だと思う。それから、都市と地方。地方がね、本当に衰退していく。しかも、新潟なんかはですね、災害から二度もね、お正月を仮設住宅で暮らさなきゃならん。こんな劣悪な状態が、続いてきているわけですね。で、そういうものをですね、もっと考えて、そして、わが国は、やっぱり農耕民族です。そういう中から山を守り、田畑を守り、そして、みんなが水を分け合ったり、あるいは溜池から分け合って、仲良く田植えをして、その時期が、日本に雨が一番降る時期だ。だから、田んぼに水を蓄えることによって、都市に災害がいくことを防いできたんです。で、鎮守の森に祀りをする。そっから日本の文化、伝統文化は生まれてきたんです。

で、こういうものがね、みんな破壊されて、家庭から、あるいはコミニティから。そういう大切な物が破壊されて、一体日本列島というのは、縦に山がずーっと並んでいる中で、この大切な地方をね本当に崩壊させたらどうなるのかと思うと、まあ我々は死んでおりませんけれども、大変不幸な国になっていくと。そこへね、まあ米軍の再編の問題であるとか、こういう問題がでてきてね、いまやもう、51番目の州になるんじゃないかということに対する危機感が…」

渡部

「この国のよさ、というのは、地方も東京もほとんど同じレベルで暮らしておったし、特別のお金持ちもいないかわりに、貧乏人もいないというのが我々が世界に、日本はすばらしいということ、それが小泉君の市場中心主義で、金持ち、まあ六本木ヒルズに代表されますが、貧乏人を地域、生活、所得、全てに格差が出てきてね。これはもう、世界で一番笑われる国になっちゃいますよ。私あの、中国で江沢民にあってね、もう十年前ですが、自慢したんですがね。あんたは社会主義で富の平等といっているけれども、大変な金持ちと貧乏人、あの、上海と、重慶じゃ大変な…。日本は、自由主義、資本主義でやってきて、日本ほど平均的に、国民の皆さんが都市も地方も職業も同じような生活している国はないって、胸を張ったんですが、今はその、自慢できなくなってきています。今の日本」




 
   
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