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 第九十三回 ('06年3月12日放送)
  「YKの総裁秘密戦略」

  ゲスト: 山崎拓 氏 / 加藤紘一 氏

民主党がメール問題で自爆してしまったという騒動に、今国会で期待された大事なこと、次の新しい総理大臣はこの国をどんな風に変える人がなるべきなのか。小泉路線のどこを残しどこを変えるべきなのか。そういった本格的な議論の無いまま、国会がすすんでいます。

そこで、総裁選に出馬の意欲を表明している山崎さんと、この国のあり方を発言している加藤さんに、この国をどうするのか。そのために総裁選をどう戦うのか、ズバリ、語っていただくことにしました。



― メール騒動は…
山崎

「2大政党時代に入りまして、民主党がもうちょっとしっかりしないと、バランスが取れないと思うんですね。自民党は非常に古い政党で、経験に富んでいますから、今回の事件を見ていましても、民主党の政治経験の不足というのを完全に露呈していると思いますね。だから、渡部恒三国対委員長起用というのは、まあ補強政策としてはね、非常に適切だったと思います」

加藤

「昔、パソコンが出始めたころ『コンピューター、ソフトがなければただの箱』なぞという言葉があったんですよね。やっぱり、政党の構えがあり、国会議員が何人、何十人いるというのが、一種のハードで、しかし、それをどうやって運用するか。それこそ見事なソフトがなければ、上手くいかんのだと思いますね。

やっぱりこっちは、ウインドウズから始まって、自民党というのは、もう、ありとあらゆるソフトを蓄積して、それから、党内でケンカする時はここまでとかね。外から攻めてきたら、誰が判断するとかっていう。一瞬にしてバババっとできるんですね。それが、山崎さんの仰った経験ということだと思うんですが。こっちの方がソフトはドンとある。向こうは余りにもソフトが少ないから、自民党の方からいったCD、渡部恒三さんというディスクを持って、活躍してもらいたい。そういう感じじゃないでしょうか」

― 小泉総理の「格差容認」発言は…
加藤

「これ聞いたときに私、小泉総理大臣、それを言っちゃおしまいよ、という感じしましたけれども。日本は格差の無い社会できたんですね。奈良時代から、ずーっと。天皇陛下のお墓も、武家のお城も、中国に比べりゃ非常に謙虚ですよね。最近銀行の頭取、アメリカでいくらとっているかって聞いたら、20億円30億円の年俸なんだそうです。日本では、同じくらいのサイズの大ビッグ銀行の頭取が、1億をとったらほぼスキャンダルに近いというんですね。年俸ですよ。つまり日本っていうのは、できるだけ格差がなくて、それで頑張ってきた社会で、そこに切り込んできた発言だったんですね。

そこでその意味では僕は、アメリカの大統領でも、『格差あっていい』という発言はしていないと思います。…頭取が20〜30億取るような社会でもね、格差は無いようにしよう、というのは、政治のある種のテーゼなんですね。私はこれ多分、今年の総選挙につながる、キーワードになる発言になっちゃったな、と思います」

山崎

「この言葉の真意は、多分、競争の原理は、悪いことではないと。あるいは市場主義は悪いことではないと、そういうことを、別の言葉で言おうとしたんだと思う。ところが、こう言う風にいってしまうとですね、やっぱり格差を実感しておられる国民層というのは必ずあるわけですから。やっぱり、反発は出ると思いますね。

じゃあ実態はどうかという事がありますが、日本はまあ、国際社会の中では、比較しますと、もっともあの格差の少ない先進国であるといえると思うですけれども、しかし、近年いろんな意味で、格差が広がっているのではないかという指摘があります。例えば、失業の拡大の問題ですね。あるいは所得格差。あるいは貯蓄の非常に減少が見られると。まあいうようなことですね、色々今指摘されていますが、実際どうであるかということをよく点検してですね、今後、そういう問題をよくしていくように努める必要がありますので、当然、総裁選挙では、加藤さんが仰るように、争点というより、論点となるでしょうね」

― 山崎氏は、7月18日に本を出版するが…、出馬表明か…
岩見

「しかし、山拓さんの意向としては、是非山崎さんに、ということになるんでしょう、そりゃ」

山崎

「いや、それはわかりませんよ」

岩見

「わからない?」

山崎

「それはわかりません」

岩見

「山崎さんの気分としては、自分がでるのと、誰かを担ぐのと、どちらに比重がかかっていますか?」

山崎

「いや、完全に白紙です」

岩見

「白紙?という事は5分5分ということでしょうか」

山崎

「まあ、強引に白紙を切るならば、真ん中で切らないとね。ちょん切るわけにいかないから」

岩見

「つまり、情勢を見なければ、どちらにどういうことになるか、今の段階でははっきり言いにくいと」

山崎

「まだ早いですよ。ともかく。政治情勢はですね、先程、永田メールの問題が取り上げられましたようにね、ああいうハプニングがありますしね、一寸先は闇という言葉もありますしね。まだこれから5ヶ月、6ヶ月先の話はね、かなり違った要素が出てくると思いますよ」

岩見

「ですけど、7月18日っていうと、もう相当切迫した時期だと思うんですね。迷っているような場面ではないんじゃないでしょうか」

山崎

「いや、まだまだ。今からいっても4ヶ月以上あるわけですから」

― 小泉総理の意中の人は安倍氏…
山崎

「うーん。私は小泉総理の口から聞いた事はございませんけれどもね。まあ、人事を見ていますとね。やはり世代交代を、考えているんじゃないかと、そのように思いますね」

― 安倍氏が「靖国参拝」の考えを変えたら…
加藤

「うーん。そうすると、人気が落ちるんだと思いますね。安倍さんの人気というのは、マスクが甘いとか、若いとか、身長が高いとか、出自、出身がノーブルであるとか、一般に言われているけれども、違うと思います。

総理大臣が日朝打開を考えて、平壌に行って、その時にバッジをつけた秘書官ですよね、官房副長官という。それで、同行しながらも、総理大臣と違う路線を主張したわけですから。帰ってきて、ワイドショーで総理大臣の日朝打開の方針は間違えているというニュアンスで、拉致問題、このメッセージの強さだと思うんですよね。中国に対しても強いメッセージを出してくるに違いないと。現にこの間の戦争の総括というのはもういいんですと…。

TBSの番組で僕と対談した時言っていましたけれども。そのへんなんていうのが明確なんですね。ですからそこが魅力であり、その辺が僕の反対するところであり、彼がその別の議論にいったら、『安倍晋三』の『安倍晋三』らしいところが見えなくなる」

― この国のあり方は…
山崎

「7、8年前に、『2010年日本実現』という本を出しました。2010年が非常に重要だと考えておりまして。つまり、憲法改正を、2010年には実現したいということを機軸としてあの本を出しましたわけです。ただ、自民党で昨年の11月に、改正案の試案を出しましたんで、スタートしたと思います」

加藤

「この国の社会、世の中、ちょっと崩れはじめていますから。これをなおすのは地域社会を作り直すと。そこで人間が交流すると。ネットやテレビだけでは駄目です。学校区。小学校区か、中学校区かしりませんが、それを中心に、人間触れ合うのをもう一回構築しないと、社会はおかしくなります」




 
   
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