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 第八十八回 ('06年2月5日放送)
  「その後のホリエモンショック」

  ゲスト: 堺屋太一 氏 / 養老孟司 氏

「時代の寵児」だったホリエモン。今やすっかり「悪の権化」のようなイメージが出来上がりつつあります。そして、牛肉輸入問題、防衛施設庁の談合事件と次から次に騒動が沸きあがっています。そこで「バカの壁」で知られる養老さんと、「団塊の世代」で知られる堺屋さんのお二人にこの時代をズバリ斬って頂きました。



― ホリエモン逮捕は…
堺屋

「確かに突然、という感じは確かにしましたけれどもね。だけどかなり際どい商売だったんだな、という感じはありましたね。初め出てきた時、近鉄バファローズを買うと言い出したとき。おもろい奴だという感じはありましたけどね。そのあと競馬買うとかね、色んなこと言い出した時にどうも、本物感が無くなってきたんですね」

養老

「まずは若いということですね。で、あれだけ若いのに、まあ普通の日本の社会だと、あそこまで頭を出す人、どっかに・・・親分と言ったらおかしいんですけど、別にどうこうするっていうじゃなくて、少なくとも先輩と言うかそういう人がいるんじゃないかなあと。彼は本当にひとりだったのかなって事をまず思いましたね。だから逆に、ああいう風に、まあ悪い言葉で言えば、引っ掛けられる。転ばされる、出る杭は打たれる。日本の世間に上手に組み込まれて無かったという気がしますね」

― 検察は…
堺屋

「いや、それはね、検察がね、がんばっているって事はいいところと、恐ろしいとこと、両方ありましてね。例えばああいう談合事件でもね、本来は公取がやるべきと。あるいは株のことならね、証券監視委員会がやるべきと。そういう機能が全然無くて、検察だけが突出している。それぞれそういう機関を作っているのにね、他は機能していない。これはまあ、会計監査法人からね、建築の審査までね、ことごとく専門機関が談合状態になってね、機能していない。だから検察が突出していると。この突出していう事は、結局、日本の正義を守って暮れたら委員だけドも、任意に、沢山類似があるのに任意にやると言うことになると、恐ろしい事態もあるんですね。だからその辺、それぞれの専門機関がもっと頑張らんとね、いかんと思いますよ」

― ホリエモン人気は…
養老

「政治でね、ああいう風な人気現象がばーっとでる。やっぱり怖いですよね。だから、まあ経済でいいと(笑)怒られちゃうんですけどね。私は関係ないから言い切れる。要するに損した得したで済んでいればね、別にね。さしてかな、と」

― 格差論争は…
堺屋

「格差論争はね、一つの象徴を捕まえるんじゃなしに、もっとこう、十分な資料に基づいてやってもらいたいんですね。で、一方で、政府、統計で格差は広がっていないんだとかそんな事言っていますけどね。格差とは一体なんであり、どこを捉えて、昔は所得格差をいったんだけども、今は自分のしたい仕事をしている、そして給料が安くてもいいというような、自らね、所得を求めない人々が出ているわけですからね。新しい時代。私の満足化とか知恵いう時代のね、そういう意味での格差をきちんと議論してもらわないとね。それでどんどん生活保護増やせというような形になったら、これまた大変な問題ですよ」

養老

「あの、これは僕はよくわからないのは、一番大きな問題は社会的コストの問題。どういう風にしているほうが社会全体として、コストが少なくて済むかそのことですよね。格差、あるところでは格差大ききしていくほうが、やる気のある人が働いて、より良いほうに動くという事は当然ありえる。その時に、だけど、置いていかれた人はどうするかって言う問題が起こってくる。それをどう救済するかっていう話ですよね。それときっと、そうでないように騙し騙しずーとおくのとね、全体としてどっちがコストかかるかというのは、非常に難しい判断になってくるわけですよね。その中に、コスト問題だけじゃなくて、生きがいとか、今堺屋さん仰ったような、どっちの社会のほうが今の人が幸せ感をもってくらせるか、ということまで関わってきますから」

― ポスト小泉は…
堺屋

「あのね、人気よりも歴史と言いたいですね。その時の人気よりもね、歴史がどう評価するかと。いうことを考える政権になってもらいたい。おそらくね、この次は、嫌な事が沢山出てきて、あんまり人気上がらないと思うんですね。だけども、それをあえてして、後々の評価で、あの人がやったから、良かったなといわれるような、歴史の評価を大事にする人になってもらいたいですね」




 
   
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