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 第八十一回 ('05年12月11日放送)
  「小泉総理の心を読む〜後見人2人の打ち明け話」

  ゲスト: 森喜朗 氏 / 塩川正十郎 氏






― ポスト小泉は…
岩見

「森さんは最近の講演で、次の総理大臣が一番とりくまなければいけないのは財政の再建だということを仰っていた。アジア外交というのも今、袋小路ですね。この問題との比重はどうですか」

「私がもし講演でね、そう言うことを言えば、あ、福田を意識しているんだね、というでしょ。新聞記者たちは、言っている事で、福田に汲みしたのか、安倍に汲みしたのかとかね、そんなことをみんな考えているんですよ。だから、うっかり物言えないですよ。世の中の今ね、騒ぎを作っているのはマスコミなんですよ。もともとマスコミは乱を好むんですよ。岩見さんだっていうんじゃないですよ。ちょっと谷垣が、当然財務省ですから税のこというのは当たり前、与謝野さんもそう。そうするとこの2人は増税側だと。中川さんはいや、歳出がまずやることだ。これは歳出派だと、それですぐに色分けをしちゃう。そんなもんじゃないでしょう。歳出削減しちゃったから税をやらなくていいってことじゃないでしょ。バランスとってやっていくことが大事なんですよね。だから外交もそうですけど。今、日韓、日中はどうだこうだって僕が言えば、また小泉さんを非難したってことにもなるでしょうしね」

岩見

「言いにくいわけですね」

「言いにくいですよ」

岩見

「しかし、財政重視、財政再建重視という風に仰ると、これも特定の人に関連付けられてみられることもありますね」

「それはあんまり福田さんと安倍さんにあんまり関係ないと思うから言うんで…」

岩見

「そうですね」

「そうでしょ」

岩見

「そういうことを念頭におきながら、ああいう講演というのはされる訳ですか」

「ええ、もちろんそうです。だから必ず新聞記者が入っているかどうかも確かめます。しゃべることがあると伝わるという意識でやっていますから」

岩見

「それと同時に、2007年の参議院選挙は、大体読めるんだ、ということも仰っていた」

「…私が言っているのは、次の国政選挙というのは参議院なんですから。こないだの勝ちすぎた振り子の論理から言うと、負けるほうに来るんじゃないかなと、国民の印象は。参議院いくらやっても過半数にならないんです。ならないんですよ。ならないんだったら、あんまり気にする必要はないなというのは、僕の思いです」

岩見

「森さんがそう仰ると、次は必ずしも安倍さんじゃなくてもいいという風にちょっと聞こえる」

「そうかな。そう言う風に聞いた人もいる」

岩見

「それは違いますか」

「そんな…、まあ、僕は安倍さんを大事にしときたいと。あんまり乱暴に使ってね、袋叩きになるようなことはしないほうがいいというふうに私は…、一番かわいい…子分といったらいかんかな、弟分だと思ってますからね」

岩見

「大事にしときたいってのはどういう意味ですかねえ」

「塩川さんに聞いて下さい」

岩見

「それから、靖国問題で国立の追悼施設を作るという議員連盟ができました。これに山崎拓さん、加藤紘一さん、福田康夫さんが入っている。これはなんとなく、小泉さんと一線を画すグループになるんじゃないかという見方があります」

塩川

「まあ、下衆の勘ぐりみたらそうなる。それよりもね、私はこういう有識な方がね、なんでこんな一過性の問題に対してですね、この、代替の記念碑作れというんだと。不思議でしょうがない。国民の感情はそんなとこまで来てませんもん」

岩見

「森派の中に総裁候補、あるいは準候補のような人が3人もいらっしゃると。結局、ポスト小泉の問題は森派調整になるんじゃないかというふうに言われている」

「まだいますよ。我がグループには」

岩見

「まだいますか」

「そりゃ、町村君だって、立派ですよ」

岩見

「竹中さんなんかもどちらかというと森派ですね」

「小泉派でしょう」

岩見

「この時期、派内問題というのはなかなか深刻ですか?」

「いや、そんな事ありませんけれども。みんな大人ですから。ただ、私はね、グループの中のみんなが、安倍がいい福田がいいというような形で、動いたり、割れたりしちゃいけないと思いますね。同じ仲間なんですから」

岩見

「しかし、森さんの頭の中では、我がグループからこの次も出すということになると、この辺がいいんじゃないかな、という、漠然と考えていらっしゃると」

「まあ、正月に相談をしたいと思っていますけどね」




 
   
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