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 第六十八回 ('05年9月11日放送)
  「今日は日本の転換点になるのか」

  ゲスト: 宮澤喜一 氏 / 御厨貴 氏

すったもんだで始まった今回の衆議院選挙。投票日当日の放送ということで、今日と言う日が日本の転換点となるのか。だとしたら、どんな転換点に立たされているのか、また何の選択を迫られているのか、戦後政治の表も裏も知り尽くした宮澤さんと、戦後政治に詳しい御厨さんに強くお願いしてのお招きとなりました。


― 自民党が単独で過半数に迫る勢いだが?
宮澤

「民主党にとってはイッシューはなくなっちゃったような選挙ですよね、小泉さんが演出も演技も全部自分でやられてですね、民主党の方は議論するイッシューがなくなっちゃって、困ったんじゃないでしょうかね」

― 宮澤さんが総理をおやりになっていればこういう解散はやりませんか?
宮澤 「私はやらないと思います」
岩見 「やっちゃいけない解散だと…」
宮澤 「やらないほうが良い」

― 小泉マジックというのはどうですか?
宮澤 「マジックって別に思った事は私はないなぁ。ただ、今まである権力を精一杯に活用したらこういう事が出来たという事で、今までこういう事は誰も実はやらなかった、それは知らなかったではないが、やらなかったという事ですから、それをマジックと呼ぶのは、さぁどうでしょうね…」

― 戦後の歴代総理はこういうつまり総理権限の行使の仕方は控えていた?
宮澤

「まぁ、異例であったですね、政党政治というものがやっぱりあって、それは本来どういうものだという事がありますからですね、その中で考えてきたわけでしょうから、その法案に反対した人は全部選挙になったら非公認にするなんて、そこに相手を立てるなんて、この素晴らしい事はですね、なかなか考えなかったですね」

― 民主党は?
御厨

「だから、民主党としてしてやられたという気持ちがすごく強いんだと思うんですよね、で最初の段階での問題設定で小泉さんに先手と取られちゃった、でシングルイッシューでとにかくその郵政の民営化に賛成か反対かというね、極めて簡単な問題、でそれに対してやっぱり民主党が出遅れてその問題ではなくて、もっと他の問題あるでしょうという言い方をさんざんしたんですけど、やっぱり最初のところを上手くクリア出来なかったこれがね最後まで響いていると思うんですよね。

だから本来ならば民主党がやろうとしてきた、やろうとした選挙の方が分をわきまえたそのやり方なんだけれども、その分を結局小泉さんが超えちゃったわけですからね、だから一方に攻め込まれたという気持ちが強いから、でそこでまたマスコミなんかも割と良く段階ではそういうシングルイッシュー化した問題について、結構賑やかに報道しましたからね、そうすっとね両方、小泉さんのマジックという言い方、たぶん小泉さんのやり方に見事にマスコミもある程度乗っちゃってで最後まで来て結局民主党に今のところ風が吹いてないという状況、やっぱその表れですよね」

― 今回の選挙戦はやっぱり一違うわけですか従来と?
宮澤 「違うと思いますね」
岩見 「どういう点でしょうか」
宮澤 「まぁ、この段階で見てですけど、これだけ何となくはっきりこう優勢みたいな選挙の推移というのは、めったにないですね。それだけそのイッシューが一つになっちゃってですね、民主党はそのイッシューの下に隠れちゃって問題が出せないでいるわけですから、それだったらそのイッシューを言う人だけが、優勢になっていくというような状況じゃないんでしょうかね」

― 強いて争点があるとすれば小泉総理が争点と?
御厨 「だから一種の好感度調査みたいになっちゃった」
岩見 「好感度調査」
御厨 「そっちにいっちゃってんですよ」



 
   
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