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 第六十七回 ('05年9月4日放送)
  「今、必要な改革とは何か?」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 堺屋太一 氏

衆院選まであと一週間。大切なのは新しい議員の任期となる今後4年間日本をどうするかという事です。今、私達はどんな分かれ道にあって、その中で何を変えなくてはならないのか、そのあたりを時代の変化に詳しい堺屋さんと小泉総理の表も裏も知る塩川さんに存分お話を頂いた。


― 森前総理の「ひからびたチーズ」発言は?
塩川

「本心はどこのあるか分かりませんけど、感覚的に言いまして、森さんは青木さんかなんかから言われたんだと思うんですよね。党の幹部から…。それは、古い談合の政治なんですね。要するにこの際騒ぎが収まって、直ちに衆参両院議員協議会を開いて、後はどうするかという相談をして、9月の臨時国会を開いてそこで成立をさせるという事を確約とってやったらどうだと…。そしたら、解散しなくていいじゃないかと。こういう意味だろうと私は思うんですね。

それに対して小泉総理の方はもう談合の政治はダメだから今までそれでずっとやってきたじゃないか、玉虫色でみなやってきた、先送りやってきた、それは俺の性格としては許せないんだという所だと思いますよ。そこの話がお互い、そうかそうか、お互い分かってますから、そうかそうか、それじゃしょうがないなというとこだったと思うんですね」

堺屋 「私は、森さんは本気で解散を止めようとなさったと思います。といううのは、一つの問題の賛否で解散して、これが繰りかえされると日本の戦後民主主義が終わるんですね。これでまぁ上手く行ったら次の総理大臣も同じ事をするだろう…。そうすると、一問題ごとに議員の解散で賛否を問われたら、もう一年に一回、半年に一回でも解散するという事になりますとね、結局議員は意思表示できない。これがやっぱりこのどろどろしてやりにくいけど、民主主義というものはそういうものだと…」

― 地方では刺客候補に違和感があるのでは?
塩川 「それはやっぱり地方でやらしたら良いんです。ですから、この際思いっきり権限を地方に譲って、財源を譲ると…。国と地方で三位一体っていってますね、あんな洒落た事いうから分からない。もっとね、本音で言ったら分かり易い、もっと地方に任せたら喜びますよ」
堺屋 「民主主義の考え方なんですがね、大体選挙区を地域割りに作るっていう発想ね、これはあらゆる地域の人が国政に代表を送れるっていう制度なんですね。だからもしその地域の問題もエゴだというなら、もう全国区にするとかね、そういう仕掛にする。地域別に分けているという事は各地域の代表が必ず国政に対して代表を送る権利があるという事ですから。、この地域の代表である議員が自分の郷土に、選挙区にというのはね決して悪い事じゃないんですよ」

― 郵政改革が今焦点になってますけど、郵政改革もやっぱり官僚主導ですか?
堺屋 「郵政改革は官僚主導か否かという事はあんまり関係ないと思いますね。例えば、国鉄をやってあれで官僚主導がなくなったかというとそんな事はないし、また、この前の道路公団ね、あれも結局民民間基準になるかと言ったらそうはならない。つまり、民営化するという事は競争原理と利潤原理を取り入れなければいかんわけですよ。ところが、妥協が妥協を重ねるもんですから、そこへ官僚のOBがどっと入ってきますから、結果としてこの2つが成功したのはJRだけです。で、ようやくね10年ほっといてNTTを分割した事で出来る様になった。だから、郵政も本当に民営化するなら、もっと競争出来いるような、競争原理を入れるような改革までもって行きたいですな」
塩川 「とにかく基本的な態度だけははっきりさせると、それはですね非公務員化するという事です。公務員では競争原理どうにも出来ないから、非公務員化するという事。それから、資金の管理については、政府から民間に知恵を入れて使う。活用すると、この2つだけですね。やったらいい。丼勘定だけは絶対にダメよと。この2つの条件さえあったらですね、後はこれから長年かかって改正していったらいいですよ。NTTだって、国鉄だって15年かかって今日まで来たんですからね。羊羹カミソリで切ったように明日からすっと変わらない。そんな事出来ない」

― 小泉さんはやっぱりぶっ壊してるわけですか?
堺屋

「えぇ、これは小泉さんの公約の中で一番守られている公約ですね。というのは、どこをぶっ壊したかというと、日本の社会というのはみんな社会で集まってたんですよ。選挙区という地域でありながら自民党はどうやって票を集めているかと言うと、各業界、建設業界、農業協同組合、医師会、うんぬんというね職縁で集めた、その職縁団体を直撃したわけですね、だからどんどんと職縁団体、医師会にしても、農協にしても建設業界にしても、みんな集票能力落ちてます。そういう意味ではねこの戦後ずっと来た職縁社会をぶっ壊し、それに立っていた自民党をぶっ壊した、これは良いこと悪いことという以前に大変な改革であった事は間違いないですね」



 
   
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