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 第五十八回 ('05年6月26日放送)
  「官僚主導の政治を斬る」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 堺屋太一 氏

国連の常任理事国入りの話が出たと思ったら、アメリカに冷や水を浴びせられたり、また100年持つ改正だと言われた年金制度は早くも将来の行き詰まりを指摘されたり、小泉総理大臣の意気込みとは裏腹な事が続いています。そして、今日のゲスト堺屋さんはそれを解く鍵は役人にあると断言します。そこで今回は問題をズバリ斬る塩川さんとともにこの問題を考えた。


― 4年間の小泉総理のやり方の結果、何が残ったんでしょうか?
堺屋 「自民党がぶっ壊れましたね、本当に…。自民党の基盤であった職場の縁にして繋がってた社会、それで票を集めてたんです。例えば医師会であるとか、郵便局あるとか、そういう形で集めてた票が1/3以下になったんじゃないですかね。それから、その組織で出てきた政治家が非常にその分野に詳しかった。それぞれの問題に詳しい議員がいなくなった、だから官僚に対してそれ違うじゃないか、こうじゃないかって言える政治家がう〜んっと減りましたね、だから官僚主導が強くなった」

― 日本の官僚は非常に優秀だという説もあるんですけど、どうでしょうか?
塩川 「今までの官僚はずっと天下国家を中心に考えてましたね。しかし、最近の官僚は自分のポジションを守るだけの情報で、その情報に基づいて固執してますね、ですから非常に視野が狭くなってきたということが一つ言えますね」

― 外交は?
堺屋 「世界中で周囲の国全部と問題を抱えているのは日本とイスラエルだけなんです。一つも解決しない」
岩見 「これは外務官僚の責任ですか」
堺屋 「外務官僚の責任であると同時に政治の責任です。政治が何にも決断出来ないし、また決断するような形で外務官僚が提案してない、この両方ですな」

― 官僚とは?
塩川 「私は、官僚というもの、官僚制とよく言いますね、官僚的といいますね、官僚とは何か。一つは自分が責任を取らない。ですから前例に従って、前例を飛び超えてやらないです。積極的にやらない、やる場合は責任者がキチッと命令してくれたらやるけどそうじゃなかったらやらない。

もう一つは仕事する場合、自分の仕事が他のセクションのところに関係はどうだろうかという事を絶えず見てます。ですから他の所にセクションに影響を及ぼすことは必ずそこと相談する。だから、自分で決めないから、なかなか話が進まない。これを調整っていうんですね。これがあるからですね役人が前を向いて進むことは絶対しません、絶えず後ろを向いて、ちょうどねラビーで言ったらボールを前へ放れないですね、後ろばっか、あれがルールですよ、ラグビーのルールですから」

― 知価とは?
堺屋 「知価というのは、まさに知恵の値打ちなんですね、知恵の値打ちというのは非常に主観的なんですよ、例えばネクタイがエルメスとかアルマーニとか名前がついとったら、たちまち2万円ぐらいする。良いと思っている人達の中では良いんですけども、そうでない人に取ってはただのヒモなんですね、そういうものが色々ある。

これがどんどんと経済に主流を占めてきている。大きく発展してきている。まぁ技術でありデザインであり、イメージでありそういったものが大きくなってきたんですね。そうしますと、官僚が客観的に知価を決められないという、これがソ連の社会主義が亡んだ一番の理由なんですね。その日本は世界で一番成功した社会主義国だなんて言われた事がありましたけどね、この調子で行くと日本は一番最後に亡ぶ社会主義国になるような気がします」


一言