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 第五十七回 ('05年6月19日放送)
  「国益とは 〜日中・国会・総理」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 加藤紘一 氏

日中関係、国会、官邸様々な議論がありますが、果たして国益つまり日本に暮らす私達にとってもメリットという点では一体どうなのか、気になるところです。小泉さんのやっている事はそれにあっているのか考え、政界きっての中国通の加藤さんと政界をバッサリと斬る塩川さんにズバリ聞きました。


― 日中関係はどの程度深刻か
加藤 「深刻だと思いますね。外務省で中国問題の担当官として7・8年、それから政治家になって30年前後日中関係見てますけど、今が一番危ないと思いますね」
塩川 「どっちも本音が出てきたんですね、今まで日本は言いたい事を言わなかったんですよ、遠慮して…。それが積もり積もって現代の状況に出てきたと。ですから今は本音を言おうという事でいってるんでどっちもこれは言いたい放題言っていいんじゃないんですか、元々違うんですから」

― 日本の国連の常任理事国入りは
加藤 「国連っていうのは一種の町内会みたいなものですかた、そこで安保理の常任理事というのは、町内会の特別役員みたいなものですよ。そこに立候補しようと日本がしたら、隣りの家が町内を回ってあそこだけはしないで下さいねって言いまわってるんでしょ…」
塩川 「あれはみっともないね」
加藤 「ちょっとね、あのやってる方の中国もみっともないけども、そこまでさせちゃった日本も損ですね」

― 小泉総理の靖国参拝は
加藤 「私は4年前小泉さんが初めて行く時に相談を受けたんで、止めておいた方が良いと。しかし、どうしても行かなきゃならん、1年目ですから、まぁ総裁選挙の後ですし。だったら、こうしたら良いと言ってそうしてもらいました。しかしその後、やっぱり続けて行ったのはまずかったなって思ってます。ちょっと危惧してましたけど、危惧してた通り国益に反する結果に今なりつつあると思います」
塩川 「僕が言いたいのはね、じゃぁ靖国に行かなかったら、そういう問題全部片づくのかと言ったら片づかないんですよ。国がそれぞれ主張してますからね、それで良いと思うんですよ、ですからそれ靖国だけで全部片づく、そういう感覚が私おかしいとっていうんですよ」

― 夏の政局は
加藤 「まぁ、解散にはならないだろうと思います。また、すべきではない。ただ唯一心配なのは党をまとめる人が今決まってないんですね。普通は総裁であるとか幹事長であるとか、ないしこの5人の会合だとかって、核が見えるもんですけど、今見えないですね」
塩川 「郵政の問題ですわね、これの扱い方がやっぱり条件付けて政府の方も折れないかん。だから条件つけてですね、話し合いがまとまってくんじゃないかと私は思うんですが…。でなければ、ひょっとしてここへ来る(解散)かもわからん、それはですねどちらも与野党とも政治家としてまずい選択ですね」

― 今、総理大臣だったら
加藤 「日本人の幸せってなんだろうねと…。明治維新以来あのヨーロッパ、アメリカを追っかけて来ましたけれどもそれもある意味で成し遂げたし、だから家族をどうしよう、田舎をどうしよう、自然をどうしよう、心の絆の信ずるものを何にしよう、そういうのを国民と話し合うようなきっかけを作りたいと思います。日本人というのは世界のGNPの中で一人あたりじゃほぼトップなのに、あるインド人が言ったそうです、なのになぜみんな不幸せな顔してるの…。それで答えられなかったそうですが、その答えを見つけ出す作業をしたいと思います」
塩川 「将来の少子高齢化時代が来る。その時にはこういう日本にしますと、後の20年後、10年後こうしますというビジョンをまず打ち出しますね、その為には例えば国と地方の関係はこうしなければならん、それから税制の改革はこうしなきゃならんという具体的な事を示す、やっぱり先の夢を言わなきゃいかん、現在だけに固執しとったらいかん」


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