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 第五十五回 ('05年6月5日放送)
  「漂流する政治の中で 〜政治は今、何をすべきか」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 渡邉恒雄 氏

小泉政権も5年目に入り国会ではクール・ビス姿の議論も熱くなっています、しかし一方で有権者の関心の高い高齢化社会問題は一向に進展せず、また外交も中国を初めとしてギクシャクしています。今回は総理大臣として日本の舵取りをしてきた中曽根元総理、そして政治記者としてそれを間近に見てきた渡邉さんのご意見をうかがいました。


― 渡邉さんは「渡る世間は鬼ばかり」の大ファン?
渡邉 「いや、もう今中止でしょ、不満ですよね、木曜日の夜困るの、番組がないと」
岩見 「あれ、どういうところがお好みですか?」
渡邉 「やっぱりあの庶民的な生活、それでまぁ嫌そうなお婆さんがいたり、本当に純情無垢で良いお嬢さんがいたり、そういうゴタゴタがね綺麗に描かれてて、しかし結局は人間の善意で落ち着くんですよね、水戸黄門と一緒なんだ、善は必ず勝つという…」

― 小泉総理の政治手法は
渡邉 「これはだから僕はあの人はワフレーズポリティックス、ポピュリズム、劇場型政治、テレビ政治の乱用者、これはああいう形の政治は良くない。…小泉さん誰と議論してるんですかね、勘だけでしょ、勘で政治やられてね成功すればいいですよ、失敗すれば後世に害を相当及ぼすだろうと思います」
中曽根 「まぁ、私に言わせればスタイル政治ですね。スタイルでもってる。髪の毛から、洋服から至るまで…。夏になればシャツで行こうと、そういうある程度スタイルで持っている、今郵政問題でいよいよ中身が問われる、これからの勝負ですね」

― 小泉総理の官邸主導について
渡邉 「いや、官邸主導って、官邸に誰がいるんですかね、小泉さんの他に、ほとんどチリしかいないでしょ。僕らはワシントンに駐在した関係もあって、ホワイトハウス政治というのを良く見てきたけど、本当に僕がいたときはキッシンジャーという大物がいて、そのシステムがものすごい大学の一つの学部のエリートを集めたようなブレーン組織があって、これはルーズベルト以来作ったそのシステムがあって、それを聞いてやってましたよね。小泉さん、誰の話を聞いて決断してんですかね、まぁお姉さんか、秘書官の飯島君か、まぁあとは竹中さんでしょう?」

― 小泉総理の靖国神社参拝は
渡邉 「公式参拝は控えた方が良い。僕はどうしても行きたいと言うのなら、殆ど人がいない夜中とか早朝未明とかそういう時に一人でね、普通の背広もいらない、例のワイシャツ、ノーネクタイで良いからサッといって昇殿せずに、お辞儀をしたら良いんじゃないですか」
中曽根 「まぁ、私は前から言ってるように分祀しなさいと、前から分祀してればこんな問題にはならんと…」

― 政局のポイントは
中曽根 「やっぱり本議会の終わり、郵政法案がどういう結末になるか、それによって非常に変化がある。郵政法案があまり上手くいかない、中途半端だったら、出る人が勇気を持って出てくるね。しかし、これが上手くいったら、しばらくは様子を見ると、もう時間帯が来年の9月まで決まっているからもう手を挙げないと間に合わんぞとそういう空気も出てきますから、おそらく8月過ぎて9月頃からそういう騒がしさがうんと出ると、我こそって手を挙げる人もあるいは出てくるかもしれない」

― ポスト小泉は
渡邉 「安倍さんも僕は候補者の一人だと思いますよ。他にもいるわけで、今やってる人気度調査というものは非常にこれまた不安定なものであって状況次第でどんどん変わるものですからね。だから、中曽根さんもお考えだと思うけども、おそらく合致するような人物は5・6人はいるんじゃないですか、だから安倍さんにスコっといけばまぁ森派3代連続内閣という反発も出てくるだろうし、森派だけで決めれることじゃないですから…。だから週刊誌の人気投票で決まるものでもない。一番大きいのはやはり外交問題ね、日中、日韓、こうやって行き詰まってるし、外交問題とそれから政策、内政上の大きな問題、それかた憲法改正こういうものに立ち向かえる人じゃなきゃいけないんですね」
中曽根 「私はもう名前を言うのは当分の間やめようと思ってます」

― 郵政民営化法案の行方は
中曽根 「場合によっては解散ってこともありますからね」
岩見 「解散だったらこれは大変ですね。渡邉さんは?」
渡邉 「解散したら党が分裂する。間違いない。民主党も分裂する。自民党も分裂する。応仁の乱だ、それが良いか悪いかですね」


一言