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 第四十四回 ('05年3月13日放送)
  「ライブドアVSフジテレビ・お気の毒な小泉総理」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 野田聖子 氏

ライブドアvsフジテレビの話題を入り口に、野田聖子氏の小泉総理への提言などをうかがった。

― 堀江氏を応援するわけにはいかない?
野中

「そうそう。やっぱりね、私ははじめね、なんだと思ったんですよ。これがこの人たちを育ててきた世代の教育の責任なのかなと。

テレビに出るのにね、ノーネクタイで、シャツがけでね、ダラーっと出て、そして話をするわ、ようやくそれが批判で耳に届いたのか、背広だけは着られるようになりましたけどね、これがやっぱり戦後初めて、生まれた人たちの、子どもさんが、やがてこういう教育を受けて、育ってきたのかなあと。けどもそういう嵐の中でね、われわれのこの国は進んでいかなくてはならないということに考えをいたしましたね」


野田

「多分ホリエモンさんが問いかけているのは、これまでのものに、新しいものをどう融合していくかという、第一号なんだと思うんです。それ自体のあり方は全然間違ってない。

ただ今その、個人的なホリエモン像の好き嫌いみたいなものが、ずいぶん世代によっても違うと思うし、私自身も今野中さんがおっしゃった一部、たとえばやっぱりその、心の部分であるとか、どういう仕事であれ、やっぱり公に対してどう責任をとるかというのは忘れちゃいけないと思っているので、堀江さんがどういう企業にしていくかというビジョンがあまり見えてないんだけど、やはりこれからの時代のために日本が救われるために、いい融合ができるということであれば、まあ応援しなきゃいけないと思うけども、そこらへんのところはまだ、全然、先行き不透明な感じがします」

― 今、政治がやるべきことは
野田

「地味だけど切実な、社会保障のあり方とか、やっぱり今、特にこの国二極化進んでいるんですよ。

堀江さんのように30代で億万長者もいれば、団塊の世代で、どんどんリストラされて、ホームレスになってる。今までなかった日本が生まれてくる中で、政治がやるべきことは、力がある人は自力で歩める。力のない人がどんどん増えていく中で、どういう暖かい政治を作っていくかということをやっぱりやっていかないと、将来の夢や希望がないから、働く気もない、結婚する気もない、子どもも産む気もないという、閉塞感が漂っている。

それを今、早く、政府が答えを出していく、そういうふうに変わっていただきたいなと願っているんですけども」

― 小泉総理に期待するところがあるのか
野田 「小泉さんというよりも小泉さんを支える自民党が総力をあげれば、できるはずなんです。ところが今、小泉さんの場合は、竹中大臣しか多分、お友達がいないというか、チームをね、せっかくこれだけの国会議員がいる政党なんだから、それぞれ得意分野持ってて、その人たちをやっぱり動かしていくというのもやっぱり総裁としての責務なんだと思います」

野中

「小泉さんは、地方のことはわからないんだと思います。今、新潟をはじめ、大きな災害や、地震等で苦しんでいる人たちの苦しみ。

で、地域のコミュニティが、だんだんだんだん崩壊されて、そして家庭が崩壊される。第一に家庭が崩壊されて、無残な想像できないような犯罪が次から次へと出てくる。意外と地方が多いんですよ。これはやっぱり、地方のコミュニティが破壊されている。そして農業やった人、林業やった人が全て職を失ったりして、もう前途が見えなくなった。

しかし、ここがなくなったらね、美しい空気や水やら電力を送るところがなくなってくるんですよ。そこのところを、私は単なる公共事業の無駄っていうんじゃなしに、効率的な公共事業やって、山をよみがえらす。そして田畑もよみがえらして食料自給率もあげて、その中から、日本の文化を築いてきた。この原点をもう一度取り戻す努力というのを、小泉純一郎という政治家は、最後の仕事にしてほしいなあと。

そしてね、外交的には、もうにっちもさっちもいかなくなっている中国に対して、小泉さんは、本当に、君子豹変してほしいなあと。そうでなければ新たな展望は開けない」


一言