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 第三十七回 ('05年1月23日放送)
  「戦後60年から小泉政治を考える」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 松本健一 氏

今年は、戦後60年。そして、自民党結党50年という節目の年です。11月には自民党の憲法草案が策定されるなど、戦後保守政治の総決算とも言えそうです。内外共に難しい局面の中、国家デザインの見直しを迫られているのかもしれません。今回は、戦後という流れという大きな枠組みの中で小泉政治、そして将来の日本を考えます。


― 小泉内閣の行方は
中曽根 「今度の法案はいろいろとありますけど、郵政法案というのが一番大事な法案ですね。この郵政法案がどういう扱いをうけるかによって小泉内閣の評価が決まると。状況によっては、党と衝突して、小泉内閣はピンチに入るかもしれない。あるいはそれを乗り切るかもしれない。そういう非常に、皆さんが手に汗握るような世界であり、日本であると、そう思ってます」

― どういう節目の年か
中曽根

「明治維新をやって、明治憲法作ったと。で、戦争やって負けて。マッカーサーが来て、昭和憲法、今の憲法作ったと。でいよいよ、この憲法も50年やってみて、変えなきゃあだめだと。そういうことで、平成憲法を作らなきゃだめだと。

平成憲法を作ろうとしてる割には、昭和憲法の50年の経験というもので、日本の社会のいいとこ悪いとこがみんなわかってきてるし、それから日本の社会の病的な面や、膿んでいるところが如実に出てきてるわけですね。そういうものを思い切ってなおそうというのが、憲法改正の問題。で新しい日本の国家像、新しい日本の道を世界にはっきりさせようと。それが憲法問題ですからね。言えば第三維新にあたるような時代だと思います」

― 憲法改正問題は
松本 「自分の国をもう一回考え直す時代になった、つまりナショナルアイデンティティとは何なのか考えないと、自分の国は自分で守る、その自分の国がわからない。ある意味ではみんな建て直し始めているわけですけども、日本は一番遅れているかもしれない、という気がします。それの象徴が一つは憲法問題になると思いますね」

― 女性天皇問題は
松本

「天皇というものはですね、言ってみれば男であるか女であるかなんてことは、日本国民にとってはどうでもいいことなんですね。要するに、日本の国の象徴としてある、そういう文化的なシステムでありますから、もっと言えば私の考え方ではですね、戦前の時代でも、国民は赤子と呼ばれていたんですから、赤ん坊と呼ばれていたんですから。ということは、その国の天皇はおっかさんになるわけで、そういう意味で言うと女性格なんですね。

だからその、2.26事件の青年将校なんかも連結の対象、つまり恋こがれる対象にしたわけで、美しい女性のために死ぬということと、正しい、あるべき天皇のために、自分たちは誠を尽くしてるというね、そういう行動様式が生まれるわけですから、それはむしろ女性格ですから」


一言